航空の安全を守るために「安全保障法案」に対する見解表明等について


定期航空協会

会長 篠辺 修 殿

航空安全推進連絡会議

議長 米原  潤

航 空 労 組  連 絡 会

議長 近村 一也

日本乗員組合連絡会議

議長 舘野 洋彰

<要請>

 貴職もご存じの通り、現在国会において「国際平和共同対処事態に際して我が国が実施する諸外国軍隊等に対する協力支援活動等に関する法律案」及び「我が国及び国際社会の平和及び安全の確保に資するための自衛隊法等の一部を改正する法律案」(以下、「安全保障法案」という)の審議が進められています。私たち航空安全推進連絡会議、航空労組連絡会、日本乗員組合連絡会議の3団体(以下単に「3団体」という)は本「安全保障法案」に対し、民間航空の軍事利用は許さない、民間航空の安全を守るためにも廃案にすべきであるとの見解を示して運動を進めているとこであります。今日まで民間航空の軍事利用については、1997年の日米防衛協力指針(ガイドライン)の改定と、それに伴う「周辺事態法」の制定、そして「有事法制」の制定・整備の際にも、私ども「3団体」は、反対する多くの市民や諸団体と協力し、これらの法案の成立阻止に向けた大運動に取り組みました。

 貴協会におかれましては、周辺事態法が成立した際に、以下の基本的考え方を明らかにされました。

@協力依頼の内容が航空法に抵触しないなど、法令に準拠したものであること

A事業の大前提である運航の安全が確保されること

B協力を行うことによって関係国から敵視されることのないよう、協力依頼の内容が武力行使にあたらないこと

以上の事項等を確認しつつ、公共輸送機関としての役割を担う個々の民間航空会社が、自由な意思の下で、個別ケース毎に依頼への対応を判断すべきと考える。

 そして、有事法制が成立した際の私たちの問い合わせに対しては、この「基本的考え方に変わりがない」との見解を示されています。

 民間航空等の活用については現行法制において既に組み込まれており、周辺事態法等においては協力の依頼がうたわれ、武力攻撃事態法においては、指定公共機関として「武力攻撃事態等への対処に関し、その業務について、必要な措置を実施する責務を有する」と定められています。

 現在審議されている「安全保障法案」においては、日本が攻撃されていない下でも自衛隊を海外に派兵する、活動地域は拡大され従来の戦闘地域とされていた地域も対象とし、武力行使の新三要件により戦闘行為にも参加する事態が現実の問題として想定されるなど、従来の戦闘行為とは一線を画していた状況とは大きく異なる状況が生まれます。日本が海外で武力を行使する、さらには民間航空が兵員や軍事物資等の輸送などで活用されるなら、日本の民間航空が「関係国から敵視される」危険性は飛躍的に高まり、テロや報復の対象にされかねないという危惧が現実味をもって迫ってきています。

私ども3団体は、航空産業の基盤である安全運航を守ることの重要性は、労使の立場を超え共通した認識であると考えます。したがって、「安全保障法案」については、労使が協力し取り組める課題であり、私どもとして必要な協力を惜むものではありません。

以上を踏まえ、貴協会に対し下記の点について検討していただきたく、本書をもって要請します。


1.「安全保障法案」の廃案にむけて、貴協会におかれましても見解の表明等可能な限りの対応を取っていただきたくこと。

2.「安全保障法案」の廃案に向け、貴協会役員と私どもの代表との懇談または意見交換の機会を設けていただくこと。