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■主な記事から■
▼危険と背中合わせ。福島原発後に続けられる民間ヘリによる放射線のモニタリング
▼米軍新基地建設問題。国が沖縄県を相手取り訴訟。翁長知事「沖縄差別だ」
▼JAL解雇問題でILOが第3次勧告。 「アタックJAL」 に800名参加
▼竹中さん、あなたのやってることが搾取です
▼人員削減に反対するAF労組に国際的な支援を
▼安全会議、沖縄で全国幹事会。乗員アンケート実施中


 ANA・JALの中間決算は、好調な訪日需要と燃油コスト下落などにより、営業利益・経常利益の最高を記録しました。通期見通しについてANAは見直しを行っていませんが、JALは5期連続で通期営業利益を上方修正。営業利益2040億円、経常利益2020億円、純利益1720億円にそれぞれ引き上げました。好調な企業業績を背景に年末闘争は取り組まれました。

 一時金交渉の中心はJALグループ各労組です。各労組は、近年にない期待強まる職場世論を背景に3カ月以上の要求を掲げ、2・7カ月回答を引き出しました。昨年末に続き2年連続、JALFIO要求(今年は2・4カ月要求)を上回る回答ともなりました。これにより年間一時金は5カ月になりました。全日空は春闘で年間回答をしており、年末一時金は2・25ヵ月。年間利益目標達成時には期末分含め、年間で5・4ヵ月を上回ることも予想されます。 今年末闘争の特徴のひとつに、賃金制度に関わる回答・発言がありました。 JGSグループ各社では「45歳賃金頭打ち」について、春闘での「課題として、これから労使で認識していく問題」を踏まえた見直し案が提示されました。本給昇給年齢「45歳頭打ち」を54歳まで引き上げ、級職給(班長職・係長職)の昇給年数の10年停止を15年まで延長します。本給の引き上げ額は46歳〜50歳は定昇「970円」、51歳〜54歳は定昇「485円」。級職給は班長職11年〜15年は「970円/年」、係長職は11年から15年は「1940円/年」となります。頭打ちによって定昇がなかった社員は、制度見直しによって(本人給+級職給)の合計額が引き上げられることになります。実施は来年4月。

 JGS札幌の冬期手当問題は、冬期手当復活を勝ち取るには至りませんでしたが、JGSグループ各社と比較して低かった基本賃金(本人給)を一律4850円、住宅手当を有扶養者4375円、単身970円引き上げが示されました。この見直しにより、有扶養者で月額9225円、単身者で5820円の引き上げになります。JGS札幌労組の試算では、単身世帯主で一時金を含め9万3000円、扶養者で一時金を含めると約15万円の年収アップとなります。17名の組合員で始まった冬期手当復活を求める粘り強い闘いは、2011年4月の強行廃止から4年6カ月を経て、大きな成果に結びつきました。
 日航乗組は、12月中旬までに賃金制度を提示させることを約束させました。ロスオブライセンス制度に関する前進回答もありました。
 CCUは、「働きに見合った賃金をもらってないとCAが感じていることは理解した」「全ての職種、全ての会社をもう一度見ていきたいと思っているので、当然その中にCAの賃金・待遇も入っている」「職務(職責)手当て5万円の要求は認識している」との社長発言を引き出しました。

 日航ユニオンには、「賃金水準の向上を含めた人事賃金・福利厚生制度の見直しについて具体的に見当を始めている」との会社発言がありました。再建を理由に強権的に引き下げられた賃金は、改善に向け踏み出したといえます。手を緩めることなく具体化させるための取り組みが重要です。
 JAL不当解雇撤回闘争では、経営協議会で植木社長は自分がいるうちに解決したい≠ニいった主旨の発言しており、具体化させる取り組みが喫緊の課題になります。ILOは11月12日にJAL解雇問題で第3次勧告を出し、「労使の意義ある対話」を強調しています。争議解決に向けた具体的な行動が求められています。

 今年末では連合系労組として唯一、JALEC労組が春闘時の「2・5ヵ月」要求を2・7カ月に引き上げました。

 引き下げられた賃金や職場改善を求めた積極的な取り組みの積み重ねが着実に成果につながっています。労働強化された職場状況からすれば、まだまだ納得できる水準ではありません。労働条件は安全を支える基盤です。職場の安全、働く者のモチベーションを引き上げるためにも、手を緩めることなく16春闘に向け継続して闘っていきましょう。

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東電福島原発事故直後から、地上の放射線量を測定するために、民間ヘリコプターを利用した放射線計測作業「航空モニタリング作業」が実施されています。測定機を搭載したヘリから地上のガンマ線量を測定するものです。危険と背中合わせのなかで活動するヘリ現場を取材しました。

 ヘリコプターは地上300mを飛行しながら測定します。山があれば山に沿って上昇し、谷があれば谷に沿って降下し、対地300mを維持します。測定空域は広大で、福島第一原発を中心に北は岩手県中部から南は千葉県・群馬県南部まで。その空域を、幅3キロメートルごとに南北に設定された測線上を計測飛行します。「日本地図の東北から関東までの区域に3キロメートルごとのタテ線を書き入れた、と考えていただければイメージできると思います」(作業者)。
 秋から冬にかけての日本列島は、強い北西風が吹く日が多くなります。「地上付近を飛行しているヘリは木の葉のように翻弄されます。福島県では奥羽山脈からの強風による山岳波(風が山脈を超えるときに発生する波打ち現象)で激しい乱気流の中を飛行します。真冬の強風吹きすさぶ谷川岳(群馬・新潟県境)上空の風景はまさに『生ける者の立ち入りを拒む』様相です」。

 空域には空港や自衛隊・民間の訓練・試験空域があり、飛行するためには他の航空機の支障にならないような調整も必要になります。離発着の多い仙台空港・成田空港・航空自衛隊松島基地(宮城県)・陸上自衛隊宇都宮駐屯地(栃木県)などは特に調整に苦慮する場所です。
 作業は天候の影響も受けます。雨天や降雨直後の濡れた地面では計測値に誤差が生じます。積雪も大きく影響するので、雪が積もる前にすべての作業を終わらせなければなりません。現場の労働者は個人線量計を身に着け、ヘリの機内にも線量計を搭載し、常に被ばく量の監視を行いながら作業をしています。

 瞬間的に規定以上の放射線量が観測された場合や、個人線量計の被ばく量が規定を超えた場合には、作業から外れて検査を行います。幸いにも現時点までに、そうした事態は発生していません。

 このようにして得られた計測結果は、原発事故以降の放射線量の推移の観察に役立てられています。今後も国民に放射線量の情報を供給するため、この作業は継続されます。測定結果の情報はW「放射線量等分布マップ拡大サイト」で確認する事ができます。

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 環太平洋連携協定(TPP)について日本政府は「大筋合意」と発表していますが、米国内では来年の大統領選で「大筋合意」を歓迎する候補は少数とのこと。議会でも批准されるかは流動的とも報道されています。カナダでは10月の総選挙でトルドー氏が勝利し新首相に就任。TPPへの対応が注目されています。

 国会決議で「除外」としている重要品目(米・麦・牛肉・豚肉・乳製品・甘味資源作物)も関税撤廃や削減を認めるなど、「大筋合意は国会決議違反」との批判が広がっています。以前は自給していた大豆やナタネも、いまは自給率は大豆7%、ナタネ0・04%になっています。こうした状況から「関税を撤廃して生き残った作物はない」の指摘も出されています。TPPはあらゆる分野を対象にしており、国内産業の衰退が危惧されます。

 政府は11月17日、沖縄県名護市辺野古での米軍新基地建設を阻止するため埋め立て承認を取り消した翁長沖縄県知事を相手取り、知事の権限を奪い、取り消し処分を撤回するための代執行訴訟を起こしました。翁長知事は、「代執行訴訟は県民にとって『銃剣とブルドーザー』による強制接収を思い起こされる」「『基地は沖縄に置き続ければよい』との固定観念で、一方的に基地を押し付ける政府の対応は、沖縄差別の表れ」と政府の対応を強く批判しました。
 名護市辺野古の新基地建設問題では県民の8割が反対し、沖縄知事選や名護市長選、国政選挙で反対派が圧倒的な勝利を重ねてきました。政府が取るべき対応は、民意を尊重し、新基地建設を見直すための協議を米国と開始すべきことではないでしょうか。
 フィリピンは国民の意思で米軍基地を全面撤退させていますが、米国とは友好関係を維持しています。基地建設が滞ればアメリカとの信頼関係に亀裂が入るといった主張もあるようですが、説得力はありません。民意を無視した政権に未来がないことは歴史が証明しています。

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 JAL不当解雇撤回争議団は、ILO勧告に従って復職協議に応じることを求めて11月の5日間、品川区天王洲にあるJAL本社前で、「JALアタック」と銘打った座り込みに取り組みました。10日は夕暮れとともに冷たい風が吹き、氷雨降る中での座り込みになりましたが、みな元気に座り込みを続けました。

 座り込みには連日100名を超える参加者があり、参加者は5日間で500名を超えました。参加者からは「JALの闘いは空の安全を守る闘い」「もの言う労働者を排除し、労働組合つぶしは許さない」「JAL争議解決まで引き続き支援を続ける」などの、あつい連帯の挨拶がありました。国労の北海道・長野・新潟・名古屋・米子からは連帯のメッセージも届けられました。

 11月9日は社長出席の経営協議会が開催され、日航機長組合(JCA)、日航乗員組合(JFU)、日航キャビンクルーユニオン(CCU)は、ILO勧告に従って協議を開き復職に向けた話し合いに応じるよう、強い姿勢で臨みました。

 12日は「JALアタック」の締めくくりとして、JALデモ・本社要請行動が取り組まれました。デモは、18時から都内品川区「聖蹟公園」からJAL本社までの2キロ。約300名が参加しました。デモ後の本社前宣伝行動では、大阪から駆け付けた中小路航空連大阪地連議長や、星野大田区労協議長、小田川全労連議長、柚木全労協常任幹事から連帯の挨拶があり、濱田JCA委員長、谷口JFU副書記長、古川CCU委員長、内田客乗原告団長から決意表明がありました。

 ◇ILOは11月12日、JAL解雇問題で第3次勧告を出しました。2013年10月の第2次勧告以降の労使交渉や今年4月の塩崎厚労大臣答弁を踏まえ、「結社の自由委員会は、本件の最新動向に鑑み、会社と当該労働組合との意義ある対話を維持することの重要性を今一度、強調する」として、労使間での自主的解決をさらに強く求めています。さらには、国会で政府が争議解決に向けて労使協議を求める発言を行ったことと、不当労働行為についての東京高裁6月18日判決に留意し、「これらに関する日本政府の見解を求める」と述べ、極めて強い関心を示しています。
 一方日本航空は、管財人が再建途上で労働組合に行った恫喝が、都労委・東京地裁・東京高裁で不当労働行為と認定されているにもかかわらず、いまだ争議解決に向けた話し合いに応じていません。
 原告団はILO第3次勧告を受けて、早期解決に向け政府(国交省・厚労省)への要請、国会議員オルグなどの取り組みを一層強めていきます。
 ◇12月7日〜11日は、「アタック!国交省・厚労省前座り込み」(厚労省前:11時〜11時半/国交省前:12時〜16時/国交省前集中宣伝:12時〜13時、15時半〜16時)が予定されています。

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  TV番組で竹中平蔵さんが発言していました。「正規(労働者)が非正規(労働者)を搾取する構造になっている。正規と非正規の壁をなくさなければならない」。 非正規労働者の待遇を正規社員の水準まで引き上げるのかと思いきやまったく逆で、「正社員は必要ありません」。正社員をゼロにして全労働者を非正規に置き換えてしまえ、ということのようです。

 あながち架空の話ではなさそうです。竹中さんは現在大手人材派遣会社、パソナグループの会長。派遣先の拡大は自社の増収につながります。しかしこれこそ搾取では?
 ◇非正規労働者の割合は40%にまで広がっています。非正規労働者が増え始めたのは労働者派遣法の導入後。派遣法について龍谷大学の脇田滋教授は、「今でも世界最悪の日本の派遣労働」「安倍政権が狙うさらなる改悪で生涯不安定・低賃金・正社員は不要に」と指摘しています。(別表参照)
 派遣法改悪で、期間制限を過ぎても派遣社員を使うことができるようになります。派遣労働者は、生涯派遣として使い回しされることが懸念されています。外国のように厳しい期間制限や違反の際の罰則規定こそ必要です。

 ◇TFKの搭載課で働く派遣社員Nさんは労働局の需給調整事業部に、「最長3年を過ぎて働いているのは派遣法違反ではないか。6カ月の契約更新では不安定なので、派遣先のTFKで安心して働きたい」と調査を申し立てていました。労働局は10月8日に派遣元に、翌9日に派遣先のTFKに調査に入りました。改悪派遣法が成立し施行されるという状況のなか、どうなっていくのかという不安もありました。

 11月16日、需給調整事業部からNさんに調査結果の連絡が入りました。「抵触日を通知していなかったのは違法にあたる。派遣先に直接雇用の意思を伝えるように」。対象はNさんだけでなく、抵触日を過ぎている他の仲間3人も該当するというもの。これから4人で、TFKに直接雇用の意思を伝えることになります。TFK労組とSNW分会がバックアップしながら、TFKとの交渉も進めていきます。調査結果にみんなホッとしています。

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エールフランス(AF)では大きな争議が起きています。

 AF経営はこの秋、2017年に向けた新たな競争力プランを打ち出し、人員削減・夜間勤務手当削減・休息日削減などを推し進めています。人員については、来年グランドスタッフ2900人、キャビンクルー900人、パイロット300人を削減する計画です。労働組合はこうした措置を不服として裁判所に提訴しましたが、地裁は経営側に有利な判決を出しました。

 裁判闘争と平行して組合は抗議行動の一環でデモを行いました。その際、5名の組合幹部が拘束・起訴される事態になっています。オランド政権も経営を後押しする形となっており、国家全体でAFのリストラを推進する体制が取られています。

 こうした情勢を受け、ITF(国際運輸労連)執行委員会はAF支援決議を採択しました(以下骨子)。

 「AF経営と闘う加盟労組の行動を支援する。そもそもスキルの高い労働者を失業に追い込むことは「暴力行為」である。労働組合の活動を犯罪扱いしようとすることに反対する。解雇された労働者を復職させるよう要求する。AF/KLMグループのいずれの航空会社の労働者の解雇計画にも反対する。」

 ITFは加盟組合に、AF労働者の闘いを積極的に支援するよう要請しました。

 経営悪化のしわ寄せを労働者に押しつけ、裁判所も政府も経営寄りの立場を取る構図は日本航空の不当解雇と酷似しています。航空連も当該労組と連携を保ち、支援を行う必要があると考えています。

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エールフランス(AF)では大きな争議が起きています。
 AF経営はこの秋、2017年に向けた新たな競争力プランを打ち出し、人員削減・夜間勤務手当削減・休息日削減などを推し進めています。人員については、来年グランドスタッフ2900人、キャビンクルー900人、パイロット300人を削減する計画です。労働組合はこうした措置を不服として裁判所に提訴しましたが、地裁は経営側に有利な判決を出しました。

 裁判闘争と平行して組合は抗議行動の一環でデモを行いました。その際、5名の組合幹部が拘束・起訴される事態になっています。オランド政権も経営を後押しする形となっており、国家全体でAFのリストラを推進する体制が取られています。

 こうした情勢を受け、ITF(国際運輸労連)執行委員会はAF支援決議を採択しました(以下骨子)。

 「AF経営と闘う加盟労組の行動を支援する。そもそもスキルの高い労働者を失業に追い込むことは「暴力行為」である。労働組合の活動を犯罪扱いしようとすることに反対する。解雇された労働者を復職させるよう要求する。AF/KLMグループのいずれの航空会社の労働者の解雇計画にも反対する。」

 ITFは加盟組合に、AF労働者の闘いを積極的に支援するよう要請しました。

 経営悪化のしわ寄せを労働者に押しつけ、裁判所も政府も経営寄りの立場を取る構図は日本航空の不当解雇と酷似しています。航空連も当該労組と連携を保ち、支援を行う必要があると考えています。

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 航空安全会議は11月9日と10日の両日にわたり、那覇空港で第1回全国幹事会を開催しました。札幌・成田・名古屋(中部)・大阪・福岡・鹿児島および地元沖縄の各支部と東京本部から総勢20余名の幹事が集まり活発な議論を交わしました。

 全国幹事会は本部と各支部間の意思疎通を図ることを目的に開かれます。過去は年3回開催していましたが、財政上の問題もあり、ここ数年は2回の開催となっています。以前にも増して、有効で効率的な会議が求められています。
 今期は、これまで2月に開催していた会議を11月に移すことで、早い時期から人的交流を円滑なものとし活動を活発化させようという方針を立てました。支部によっては、新任・退任等で新たな役員や幹事を迎えたところもあります。非常に広範囲で専門的な活動を行う航空安全会議について基本的なレビューを行いながら、本部・支部が相互に今期の活動について再確認し、共通認識を持てたことは大きな収穫でした。今回は国土交通労組の九州航空支部からオブザーブ参加もありました。支部の活動が大きな広がりをみせ、より活発になることが期待されます。1日目の会議後には交流会が開催され、さらに踏み込んだ情報の交換が行われました。
 今回の会議では、当面の活動である年末乗員アンケートの実施も確認され、12月10日までの日程で、航空安全会議と日乗連のホームページから参加できるようリンクが設定されています。
 航空安全会議は今期も力を合わせて、職場・職種・地域をこえた現場の声を集め、不安全要素除去に取り組んでいきます。

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