要求  101008


2010年10月08日| 国交省・厚労省に要請
 航空連は8日、日本航空で「希望退職」の名の下で退職強要が行われている問題で、国交省と厚労省に対し是正指導を求める要請書を提出しました。要望内容は@航空の異常な対応を正し、整理解雇の回避に向けた経営努力を尽くすよう、早急に日本航空を指導すること。A政府として日本航空の破綻の原因と責任を明確にするとともに、国民の足を守る立場から不採算路線の維持方策や着陸料や燃料税等の見直しと空港建設のあり方、地方空港の運営・維持方策等々、航空政策として指摘された問題点を是正するための政策の具体化に踏み出すこと――です。要請後には両省で記者会見を行い「日本航空で行っている面談は、事実上の退職の強要で、安全運航に支障を来す」と訴えました。要請と記者会見には関係労組代表らも参加しました。
 要請では、希望退職の名の下で行われている退職強要の実態を具体的に説明し是正指導を求めました。パイロットの職場では、320名を超えるパイロットの10月のスケジュールが白紙になっており、個別面談で「あなたの活躍する場はない・・・希望退職に応募すればラストフライトをアサインする」などと退職強要を受け、パイロット内には「明日は我が身」との雇用不安や、「モノ言えぬコックピット」との懸念がひろがっています。 

客室乗務員は、45歳以上を対象者とし個人面談では「希望退職に応じなければ整理解雇は免れない」「希望退職に応じなければフライトをアサインしない」と退職を迫っています。またパイロット同様に10月の乗務はすべて自宅スタンバイです。すでに5月に実施された特別早期退職には1370名が応募しています。

整備の現場では、55歳以上の労働者には「あなたは整理解雇の対象者。希望退職に応じなくても整理解雇になる」と退職を迫っています。こうした退職強要の一方で、事務部門ではサービス残業が報告されています。「会社はなりふり構わず状態、行政がブレーキをかけなければ暴走状態は止まらない」と訴えました。

日本航空の希望退職募集はグループ会社にも広がっており、雇用不安や業務への影響が懸念されます。

以下は要請文です。

2010年10月8日


国土交通省

大臣 馬淵澄夫 殿


航空労組連絡会

議長 近村一也


安全と公共性に影響を与える人員削減ありきの日本航空再建計画の見直しを(要求書)

 貴職もご存知のとおり、日本航空は、8月31日に東京地方裁判所に更生計画案(以下「計画案」)を提出し、現在、認可を得るべく取り組みを進めています。また同時に、「計画案」の認可を待たずして、同「計画案」に基づき、路線の整理縮小やB747-400型機やA300-600型機等の退役、グループ会社の売却等を進めています。さらに労働者に対しては、賃金や退職金の切り下げ、勤務の改悪を進めるとともに9月3日より希望退職募集(全社的には第2次募集)を開始しています。9月24日の第一次締め切りを踏まえ「応募数が目標を大きく下回っている状況」であり「10月1日より『希望退職措置』の第2次募集期間設定」するとともに、「整理解雇の人選基準等についても検討を行わざるを得ない」として、各労組に対し、「現時点での会社の整理解雇の人選基準(案)」を、9月27日に提示して来ました。

 私たち航空連は、日本航空の経営危機が表面化する中で、その時々状況の変化も踏まえつつ、経営破綻にいたった原因と責任を明らかにするとともに、再建に当たっては、航空運輸産業の社会的な役割を踏まえ、安全と公共性の確保を柱にするとともに、原因と責任に対応した再建策でなければならないとする見解を繰り返し表明してきました。また、これらの見解を踏まえ、政府として原因と責任を明確にすることは国民に対する責務であることを指摘し、その明示を要求しました。また国民の足を守る立場から、航空の規制緩和政策や空港建設のあり方、不採算路線の維持方策や着陸料や燃料税等の公租公課見直しなど、今日までの航空政策の見直しも要請しました。

 しかし、現在進行している事態は、日本航空が破綻にいたった原因と責任を明確にする点でも、国民の足を守るために安全と公共性の確保を柱とした再建を進めるという点でも、遺憾ながら、はなはだ不十分であると指摘せざるを得ません。

とりわけ、現在日本航空が進めている人員削減については、安全運航にかかわるきわめて重要な問題だと私たちは捉えています。

 日本航空は、「希望退職措置」の応募数が一次締め切り時点で目標に達しなかったことを踏まえ、「現時点での会社の整理解雇の人選基準(案)」を示す一方、対象者となっている運航乗務員や客室乗務員に対し「面接」を行うとして乗務からはずすなど、退職強要ともいえる異常な対応に踏み出しています。こうした対応は、職場に深刻な雇用不安を漂わせ、労働者のモチベーションを著しく低下させるものです。

 安全運航に労働者のモチベーションの維持・高揚が重要であることは、タスクフォースの報告や日本航空が設置した、安全アドバイザリーグループも指摘している通りであり、現在の状況は再建に不可欠な安全運航の基盤を揺るがす事態と指摘せざるを得ません。

 以上の現状を踏まえ、国民の足を守る−安全と公共性を確保する立場から、貴職に対し、下記の通り要請いたします。


  1. 安全運航を確保する立場から、退職強要とも言える日本航空の異常な対応を正すとともに整理解雇の回避に向けた経営努力を尽くすよう、早急に日本航空を指導すること。

  2. 政府として日本航空の破綻の原因と責任を明確にするとともに、国民の足を守る立場から、不採算路線の維持方策や着陸料や燃料税等の見直しと空港建設のあり方、地方空港の運営・維持方策等々、航空政策として指摘された問題点を是正するための政策の具体化に踏み出すこと。

以上

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