292(25-11)


日東航空整備解散・3月末日全員解雇

日東整「使い捨て」は明らか、JALの責任で雇用継続を図れ

 JALの整備部門の一翼を担ってきた日東航空整備株式会社(以下日東整)は、1月21日に「今年度末の3月31日をもって、事業終了・会社を解散する、従業員150名には翌日から働く必要はない、3月末日をもって社員全員を退職(実質解雇)する」という乱暴な発表をしました。また、同時に示された退職条件もJALグループの特別早期退職・希望退職の条件よりもはるかに低く、翌日からの面談では、「事業終了」と「退職条件」を承諾して退職をする旨の退職届を2月28日までに提出せよと労働者に迫りました。こうした提案に対し、日東整の労働者有志がスカイネットワークに加入し、日東整(会社)・JALに対し団交を申し入れ、日東整に「経営責任、雇用の継続、退職条件引き上げ」などを要求するとともに、JALの責任を追及し闘っています。

 航空連は、スカイネットワーク分会員の要求実現のため、JALの責任こそ重大であり解決を図れる道であると考えます。そのための運動を展開していきます。乗員・客室乗務員の不当解雇撤回と同様、皆様の強力なご支援をお願いします。


事業終了の経過と背景

 日東整は1980年に設立以来、JAS・日本エアシステムの飛行機の点検・整備を担い、JAL・JAS統合後はJALの航空機の重整備を担ってきました。日東整の収益は、9割以上がJALからの仕事です。

 日東整の仕事は、エアバスA300やダグラスMD90などの「重整備」と呼ばれる整備作業です。一定の飛行時間(3000時間、およそ1年から1年半くらいの期間に)になると、飛行機を運航から外して、格納庫内で細部まで分解し、点検、修理する仕事です。3次元を飛ぶ飛行機ですから、普段は目に着かない部分まで、点検整備を行います。それは長年の技術の蓄積・経験が必要です。落ち度があっては空の安全は成り立ちません。

 日東整は、昨年4月28日に、A300やMD90の退役計画をJALから伝えられましたが、「JALから仕事の発注を受ける立場で、飛行機の退役を送らせてくれとは言えない」(JALから出向の役員)として、新興航空会社や官公庁の航空機整備の仕事を獲得すべく努力した。しかし、事業継続の見通しが立たず「事業終了」を1月20日取締役会で決定したと経緯を説明しています。
 JAL整備本部は日航ユニオンとの交渉において、「事業終了は日東整が判断した」と言っています。しかし、日東整が事業終了を決めた取締役会の前日(1月19日)に、「2月からの仕事はないとJALから言われた」(日東整経営の団交発言)のであり、このことが、日東整の事業終了を決定づけました。                               
 これまで、JALの整備生産体制のJALの整備生産体制の一部として完全に組み込まれていた日東整が、事業終了・全員解雇に至る背景には、JALの「更生計画の確実な実行」を口実とした人員削減ありきの非道な方針があると言えます。

不十分なJAL整備の現状 

 JALの更生計画では、日東整が整備する航空機・エアバスA300を10年度末に退役、ダグラスMD90は12年度末の退役となっています。日東整解散後、日東整のやっていた仕事は、JALの子会社であるJALEC(JALエンジニアリング)がそれを担うとしていますが、そこではJALから出向したベテラン整備士やハイスキラーの方々が、この1年間で大量に退職しています。そうした中で「ボーイング系の重整備に加え、A300機の売却整備にも人手がとられ、MD90型機の整備は無理、どうやってやるのか」という現場の声が出されています。
これまで、JALECでのMD90型機の重整備は、認定事業場という資格を維持するために年1回程度しかやられていないという実態です。また、その際にも、日東整から相当数のマンパワーの支援を得て実施してきたのが実態です。
 今後JALECで整備するにしても、技術的にも人員的にも日東整の支援が必要であり、不可欠といえます。

日東整切り捨ては「安全の層」を薄くする   

 MD90の退役は12年、まだ11回もの点検・重整備があります。そしてJALにはその整備に必要な体制が不足しているわけですから、日東整の使い捨てをやめ、JALの責任において雇用の継続をはかるべきです。大量のベテラン整備士の退職、重整備を担う日東整の切り捨ては、確実に「安全の層」を薄くすることになります。

整備の体制、国会でも審議・立入り検査へ 

 経営再建中のJALが行っているすさまじい人員削減は、パイトッロや客室乗務員の不当解雇にまで及んでいますが、それだけでなくグループ関連会社で安全運航を直接支える整備の現場も行き過ぎた異常な人員削減となっています。
 こうした状況を踏まえ、2月17日には国会(衆議院予算委員会)でも追及が行われました。穀田議員は、会社ごとつぶして首を切るやり方を批判し「JALは親会社として再雇用の責任を果たすべきだ」、「MD90の退役は2012年であり、まだ『重整備』(航空法などで義務付けられている整備)をしなければならない」と述べ、その間の安全運航に支障をきたすと指摘しました。
 問題点の指摘を受けて、大畠国交相は、「指摘の状況があればきちんとすべきだ。改めて立ち入り検査をする。」などの答弁を行いました。その後、日航・全日空社長を呼んで「安全運航確立の確認」(2月18日)、整備現場への立ち入り検査(2月23日)などが行われています。

雇用継続など要求を提出 

●日東整に働く有志が、「日東整の解散を考える会」として、会社解散に納得できないことや退職届を出す必要のないことを職場に宣伝し活動しました。そして、航空連・航空一般労組スカイネットワーク労働組合に加入しNTM分会を立ち上げました。NTM分会は、親会社JALと日東航空整備に対して、

「事業終了に至った経営責任を明確にすること」
「全従業員の雇用・労働条件を継続的に確保すること」
「退職を選択する場合、退職条件を引き上げること」
などを要求しています。

 しかし、日東整の独自判断で解決をはかれるとは到底思えません。日東整は収入の9割以上の仕事を受注しており、実質的に支配してきたJALが親会社の責任として解決をはかることを要求し奮闘しています。

取り組みと宣伝行動 

 航空連は、JALの責任を明確にし、整備の現状と問題点を明らかにし、利用者国民にもこの問題を広く訴える宣伝行動を行っていきます。
当面の取り組みとして、羽田空港でのビラまき、JALと日本飛行機(株)に対する要請行動、国交省要請とあわせてパイロット・客室乗務員原告の仲間とも連帯した運動を進めていきます。職場からの参加と支援をお願いします。

*羽田空港第一ターミナルビラ


 3月2日(水)17:00〜18:00


   7日(月)17:00〜18:00


*各空港でのターミナルビラ


 各地連での配布を具体化します。(航空連ホームページ掲載の「日東整問題」のビラを使用します)


以上


スカイネットワークNTM分会の要求                

1.日東整が事業終了に至った経緯及び経営責任について明確な説明をすること。 

 会社は1月21日に「事業の終了について」の文章を発信しましたが、この文章は曖昧な表現が多く、なぜ事業を終了しなければならなかったのか、またなぜ退職をお願いされなければならなかったのか理解できません。経緯及び経営責任について具体的且つ、明確な説明を求めます。  

2.全従業員の雇用及び労働条件を継続的に確保すること。

 日本航空の航空機材整備において、日東整のスキルは必要不可欠です。日東整の存続を含め、JALECをはじめとするJALグループ各社での雇用の継続を図ることとし、それを望まない従業員に対しても他社への転籍などの方策を講ずる等、全社員の雇用を継続的に確保し、労働条件維持の方策を講ずることを求めます。

3.退職条件を引き上げること。 

 日東整が示した退職条件は、JALグループにおける条件に比べ大きな格差があります。退職を選択した場合、日東整従業員には子育て世代も多く、家族も含めその生活への影響は甚大なものがあります。日東整を今日の事態に至らしめた日本航空の責任において退職条件については最低でもJALグループの早期退職と同じになるよう再検討を求めます。

4.組合事務所を確保すること。  

 SNW羽田支部NTM分会の組合事務所を確保すること。 

ページ先頭へ 前へ 次へ ページ末尾へ