phoenix254号


■主な記事から■

▼県民の足守る乗継運賃・輸送拡充を・国交省・沖縄県に要請

▼暮らし改善安全向上めざし 11年末闘争成果と課題

▼JAL、整備コスト削減の一環としてB737の運航整備体制見直し。

▼「有給休暇は私の思いやり」―働くホットライン

▼二層の広域圏、東京一極集中をどう変える

▼「不当解雇とたたかう日航労働者を支える会」発足

▼離島の委託観測を気象庁職員による観測に改めて

▼読書のススメ  「共生経済が始まる」内橋克人著


県民の足守る乗継運賃・輸送拡充を

離島運賃競争・SKY不当廉売調査を ・県は株主として影響力を

国交省・沖縄県に要請

 スカイマーク(SKY)の那覇―宮古路線参入で激しい運賃競争が展開されている問題で航空連は国交省と沖縄県に、「沖縄県民の足、観光立県のアクセスとしての航空輸送を拡充するために」との申し入れと要請を行いました。

■国交省要請

 国交省への要請は10月26日。要請内容は、@SKYの運賃が不当廉売に当たらないか、航空法105条に基づき審査過程を再検証し運賃変更命令の判断を求める。ASKYに貨物輸送を行うよう行政指導を求める。B本土から那覇経由で離島路線に乗り継ぐ場合の運賃制度の拡充を求める。C健全な航空輸送の体制が取れるようJTAに対する羽田発着枠の配分を求める。
 航空局の対応は、「略奪的な運賃でなければ利用者に広く受け入れられる体制にしていく。SKYに改善命令を出す状況にない。『貨物を運べ』という時代でないし、乗り継ぎ運賃は企業が決め判断する問題。羽田の発着枠(二次枠)はこれから検討するので要望としてお聞きする」に止まりました。
 西原JTA乗組事務局長は、「JTAは40年にわたり島民の足として航空輸送を担ってきた。このままでは生活路線の減便を余儀なくされる」として、島民にとって放置できない状況にあることを訴えました。

■沖縄県要請

 沖縄県と県議会には11月4日、航空連代表とJTA乗組代表が要請しました。乗り継ぎ運賃の拡充が、県民の足や観光立県のアクセスの拡充に繋がるとの主張には、県担当者も「同感」との認識を示しました。
 JTA乗組からは16機体制から12機体制に縮小される問題や、羽田線しか上げてない10%の利益率が路線運航の判断になっていることなどを伝え、株主でもある県の役割が求められていることを強調しました。
 県要請後県議会議長と面談し、不当廉売や乗り継ぎ運賃、通し運賃導入への理解と協力を求めました。高嶺議長は「大所高所から意見を言っていく。公租公課についても目を向け、踏み込んでものを申していかないといけないと思った。12月から議会が始まる。議員の意見を集約していきたい。雇用や賃金が守れないのでは困る」と語りました。
 記者会見には、琉球新報や沖縄タイムズ・宮古新報の地元紙記者が出席。翌日の地元紙は航空連やJTA乗組の取り組みを大きく報じました。


 ▼関連記事「検証」

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引き下げから回復へ

暮らし改善安全向上めざし

11年末闘争成果と課題

 年末闘争は11月16日の航空の山場を経て収束にむかい、各組合は成果と不足点を確認し「12春闘」へと歩みを進めます。

 JALグループ各労組とJGSグループ各労組は一時金2・5カ月の統一要求を掲げて闘いました。回答指定日の11月1日から1週間遅れで示された回答は1・5カ月。回答前日には1061億円の営業利益を上げた中間決算と、通期営業利益を当初計画の約2倍の1400億円に上方修正する発表がされました。史上最高水準利益の一方で史上最低水準の一時金。計画を大幅に上回る「V字回復」をめざす企業業績と、「社員の物心両面の幸福を追求」(企業理念)が置き去りにされる構図が鮮明になりました。加えて、JALグランドサービス札幌の労働者は冬季燃料手当が廃止され、月2万円の負担増が待ち構えています。期待の強いEF制度(自社便搭乗制度)復活要求には、見通しや方向性さえ示されませんでした。

 ANAグループでは、エアニッポン乗組は労働協約の継承・保全を求め交渉を続けています。全日空では期末ベース一時金の算定方式を見直し、連結売上高経常利益率へ変更したい旨の会社案が示されています。業績にリンクする一時金算定方式は、常に会社事情が優先される仕組みでもあります。

 マレーシア航空(MH)労組は一時金年間6カ月(冬・夏)+業績配分1カ月回答を引き出しています。ユナイテッド航空(UA)労組は今後3年間の協定について交渉が行われ、@定年を67歳に延長AUA・COの合併後は現UA就業規則を採用B2012年から2014年までは毎年定期昇給1万円と一時金6カ月+αの回答、を勝ち取りました。UA労組は訪米し交渉も行いました。

 年が明ければ「12春闘」が始まります。引き下げられた労働条件の回復は、消費回復と景気回復にとっても欠かせない条件です。

 津恵航空連事務局長は「利益優先のリストラは、モラル低下を招き、職場の活気を奪い、安全低下につながる。今年末は、十分とは言えないが、要求をきちんと出し回答を引き出した。来春闘ではこの流れをさらに大きくしたい」と話します。
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JAL 整備体制見直し整備士減らし

懸念される安全・定時制低下・背景に整備コスト削減

 経営破綻後、採算性を高めるとして様々なコスト削減を実施しているJALグループ。ボーイング737―800(B738)の整備体制を見直し整備士を減らそうとしています。
 全便で行っていた整備士による機体外部点検を夜間駐機以外はやめ昼間はパイロットが機体外部点検を実施する、整備士が行っている給油確認やインターフォン作業もトランジット・スタッフ(TS)という要員を配置する、として整備士が機側にいない状態での運航をめざしています。理由は「メーカーの整備プログラムで不要となった」。1へ分単位の遅れにも神経をとがらせる定時出発競争。時間に追われるなかでの点検や整備作業は安全面でのリスクも生じさせます。日本航空ユニオン(JLU)と日本航空乗員組合(JFU)は、この整備体制では安全・定時性が低下するとして反対方針を掲げています。

 今年4月の提案以降、組合は様々な問題点を指摘しましたが、TS作業を整備士が実施する(フェーズ1)段階で検証するとして11月1日より導入しました。実施後、初便の出発直前まで書類の記入方法を問い合わせする実態で、その後も、整備現場では何かあるたびに整備士が相談しながら作業を実施しています。事前検証が不十分な、見切り発車状態だったことが明らかになっています。

 JLUは、会社の事前検証は運航現場の実態を見ていない机上の理論だとして、不具合の実態や整備士が安全・定時運航に寄与している実態を明らかにするため、「不具合データ収集シート」を作成しデータ収集に取り組んでいます。JFUも同様にデータ収集を行い、会社の主張の問題点を追求して行くとしています。
 JLUとJFUはこの問題に関する合同ニュースを2号発行し、共闘体制で取り組んでいます。両労組の要求は、機側にいる整備士が機体外部点検を行う現行の整備体制です。JALグループで同機種を運航するJEX乗組も要求には賛同できるとしています。要求実現に向けて、3労組は連携した運動を展開して行きます。
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カンタス労働者と家族に支援を

航空連、成田空港で宣伝行動

 世界運輸労連(ITF)は、アウトソーシング・雇用保障・賃金をめぐり会社と闘っているオーストラリアのカンタス航空労働者とその家族への連帯表明を、世界中の航空加盟労組に呼びかけています。航空連はこの呼びかけに応え11月16日、成田空港で支援の宣伝行動に取り組みました。
 オーストラリア国際操縦士連合会(AIPA)やオーストラリア有資格航空エンジニア連合会・オーストラリア運輸労組(TWU)などのITF加盟組合は良質の雇用、雇用保障、公正な賃金を求め闘っています。カンタス航空が、海外移転により労働コストを削減する可能性があるからです。
 10月29日、カンタス航空は労働者に対する攻撃を開始しました。ロックアウトされた労働者とその家族は大きな苦痛を強いられ、数十万の乗客が足止めされました。10月30日、労使裁定機関「フェアワークス・オーストラリア」は、カンタス航空の労使が協議の末、合意に至るまでの猶予として21日間を設定しました。この期間に労使合意に至らない場合政府が介入し、強制的仲裁を行うことになります。
 ITF民間航空部長のガブリエル・モチョ・ロドリゲス氏は、「オーストラリアの仲間はこの問題で皆さんの支援を必要としています。この問題はカンタス航空の労働者の雇用を脅かすだけでなく、世界中でアウトソーシングを計画している他の航空会社の労働者に影響を及ぼします。ITFは現在、国際活動日の実施を調整し、カンタス航空が乗り入れている空港やカンタス航空の事務所前などでアクションを起こすよう」世界の仲間に呼びかけています。
 ITFは日本航空の不当解雇撤回について、各国の日本大使館への要請に取り組みました。今、世界の航空労働者は、経営側の不当の攻撃を跳ね返し雇用と労働条件を守るため、連帯した行動が取り組まれています。

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高裁で全面勝利目指す/契約CA雇止め原告が控訴

 日本航空の契約制客室乗務員が3年目の契約を更新されず、雇い止めされたことは不当として訴えていた裁判で東京地裁は10月31日、原告へのパワハラ・嫌がらせを不法行為と認め、日本航空と上司に20万円の損害賠償を命じる判決を出しました。しかし地位確認が認められなかったことは納得できないとして11月11日、原告は東京高裁に控訴しました。

 控訴にあたって「JAL雇い止めCAを空にもどす会」は見解を発表しました。

 「判決では、元上司による面談発言が一部、違法な退職強要であると認定され、更に被告の不法行為は、会社の業務執行に関してされたものであり、会社の使用者責任を負うべき、と断罪され」たものの、判決は「会社側の主張のみを採用して書かれたもので、到底受け入れられる内容ではありません。原告が元上司にあてた個人的なメールや手紙、また事実無根であるにもかかわらず強制的に書かされた複数の反省文等が、雇い止め有効とする理由に引用されている」。「事実すら捻じ曲げられたこの判決を確定させるわけにはいかず……控訴しました」。

 原告は、「大勢の仲間に見守られ、判決を迎えることができました。
この裁判は私はじめ多くの契約制客室乗務員が退職強要やパワハラで辞めさせられてきたことは不当として始めた裁判なので、パワハラが認められたことは大きな成果と思います。裁判のニュースを見た元契約制客室乗務員の方から『自分も不当に退職強要やいじめで泣く泣く自主退職した、このように闘っている人がいると知って、少し救われた気がした。何か力になりたい』と言って頂き、自分が今まで苦しみながらも裁判を続けてきたことが報われたように思いました。全力で、高裁では絶対に勝てるように取り組みたいと思います」と力強く決意を語りました。
 原告と「もどす会」は、高裁勝利判決をめざして引き続き取り組んでいきます。
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「有給休暇は私の思いやり」

「有給休暇に私用と公用ってあるの「有給休暇は届けを出さなければいけないのですか」

 スカイネットワーク(SNW)のある職場の話し合いで出されました。年次有給休暇の申請用紙が新たに作られ、それに記入して提出しなければならなくなったというもの。私用は認められないこともある、ということも付け加えられているようです。有給休暇はほとんどが私用のはず。公用って?いろいろな疑問が出てきます。
 有給休暇取得には、会社から色々な制約が提示されている場合が多いものです。取得人数枠が設定されていたり、忙しくてなかなか取りづらいなどの実態もあります。それでも申請すると「その日は忙しいから別の日に取ってくれ」。

 ある航空会社の総務部長は契約社員に「あなたたちの有給休暇は、皆さんが頑張っているので、私の思いやりで出してやっているのだから感謝しなさい」。SNW分会ができ団体交渉が始まったら、有給休暇の日数が労働基準法の付与日数より少なかったというお粗末な事実が明らかになりました。すぐさま訂正されたのは言うまでもありません。その後、総務部長は団交に出てこなくなったということです。

 有給休暇については多くの会社で「与える」となっており、取得についても「会社の業務に支障がきたす恐れがある場合は、その時期を変更させることがある」という項目が書かれています。労基法の時季変更権が拡大解釈され、運用されているようです。
 有給休暇は「会社の承認により与える」という性格のものではなく、従業員が取得したい日を指定すれば無条件で与えられるものです。「事業の正常な運営を妨げることとなる場合は、別の日に取得するように求めることが出来る」とする時季変更権も、「繁忙だから」とか「人がいないから」という理由は認めていません。

 有給休暇については、労基法を知ることから始めることが大切です。
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二層の広域圏 東京一極集中をどう変える

地方空港にナイトステイ機材確保で利便性アップ/航空版成長戦略を考察

〈国土の荒廃〉
 日本社会は人口減少と少子高齢化のなかで、耕作放棄地の拡大と森林の荒廃が同時に進行している地域が多いと指摘されています。的確な対応を誤ると地域間格差の拡大や過疎地域のコミュニティの崩壊、ひいては国土の荒廃を招く恐れがあります。

〈四全総〉
 東京への一極集中が顕著になったバブル経済の下、1987年の第四次全国総合開発計画(四全総)は地方重視と大都市問題の解決という混合型の国土計画となりました。東京への過度の集中を抑制し地方中核都市を重視する、国土の均衡ある発展「多極分散型」の国土形成を目指すものでした。そして「全国一日交通圏」構想の下、航空では1986年から、計画事業費1兆9200億円(実績値2兆0972億円)の第5次空港整備が進められました。
 しかし東京一極集中は加速。東京だけが飛び抜けて利便性が高いことが要因の一つです。

〈日帰り交通圏〉
 四全総では、6時から24時の間は「アクセス1時間、移動3時間、滞在6時間」の全国一日移動圏が想定されていました。東京一極集中は是正すべきであり、その中核となるのが公共交通というわけです。利便性の高い移動手段を確保すれば、事業拠点の分散と地方への定住が図られるのです。

〈二層の広域圏〉
 現在、成長戦略構想による東アジア経済圏と同時に、「二層の広域圏」という地方定住の政策が進められています。今後の地域づくりに際して、「モビリティの向上」と「広域的な対応」が重要であり、複数都道府県からなる「地域ブロック」と複数市町村からなる「生活圏域」の「二層の広域圏」です。

〈ストロー効果〉
 ストロー効果とは、交通網の整備や撤退により都市が発展したり衰退したりすることを指します。運航頻度の低い航空機の時間設定が大都市側に有利に設定されると、地方の事業所が減少していく。一方、大都市からも地方都市からも移動の利便性が同等なら、地価や物価の経済性の観点からも事業所が地方都市にも拡がっていきます。

〈ナイトステイ機〉
 現在、国内線における羽田空港のハブ機能は群を抜いています。それが、首都圏だけが航空機による全国への日帰り移動が可能という、東京一極集中の原因となっています。
 打開策は、地方からの首都圏日帰りを可能にすることであり、そのためには地方空港でのナイトステイ機材の確保がポイントです。ナイトステイ機は地方からの早朝の始発便を可能にし、かつ地方空港への最終便を遅い時間帯に設定できるので、地方から首都圏への日帰り移動を可能にします。

〈行政の役割〉
 航空会社に東京一極集中の是正と地方定住の役割を担わせるには、航空行政の仕組みが必須の条件です。航空自由化や競争促進策では決して地方定住は果たせません。それは歴史が証明しています。
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不当解雇とたたかう日航労働者を支える会結成

 11月7日に、JAL不当解雇撤回闘争の財政面から支援をする「不当解雇と闘う日本航空労働者を支える会」の結成集会が開催され、会場をあふれんばかりの381名が参加しました。「支える会」の代表世話人には、朝倉むつ子早稲田大学教授、宮里邦雄日本労働弁護団会長、脇田滋龍谷大学教授の3氏が就任しました。この会の結成によって、JAL不当解雇撤回闘争を支える3つの体制〈各地で結成された「JAL支援共闘会議」、文化人・有識者による「励ます会」、「支える会」〉が整ったことになります。
 集会で講演した宮崎氏は、「国鉄の分割・民営化のときも労働組合つぶしと安全切捨てが起こった」として指摘し、「日航解雇撤回のたたかいには、長年の労働者のたたかいで勝ち取った『整理解雇の4要件』を守る、組合攻撃をはねのけ団結権を守る、空の安全を守る、という意義がある」と強調しました。
 「支える会」事務局長の柚木康子さんは「JALの闘いは国鉄の闘争と同じです。JALの解雇された当該の闘いだけでなく、自分の闘いなんだという事を共通認識にできるような、運動を広げていきたい。支える会は年内3万人、最終的には5万人の会員達成を目指して拡大運動を進めます。この闘いを勝利するために『支える会』を大きくしていきましょう」と呼びかけました。
 山田日本医労連委員長は「患者や乗客の命を守るためには、十分な人員配置と豊かな経験に裏づけられた技術が必要です。JALの不当解雇は命を守ることを投げ捨てた行為だと思います。空の安全を守ってきた皆さんは嫌がらせを受けながらも、不屈に闘ってきたことがすごいです。大震災が起きた医療過疎地域では、医師・看護師不足で助かる命も助けることができなかった事実があります。皆さんが職場に戻れるよう共に闘いましょう」と挨拶しました。
 原告団からは「安全第一の日航にするため、何としても職場復帰します」と、決意表明がありました。
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検証/競争至上主義の行く末

懸念される離島航空荒廃

 日航不当解雇撤回裁判で醍醐東大名誉教授が重要な指摘をしています。日本航空が路線の存廃を判断する際に路線別の貢献損益を指標とせず、各路線と無関係な共通固定費まで配賦した損益(第二次貢献損益)を用いたことで、全社ベースの営業利益の最大化に貢献したはずの路線まで廃止や縮小という誤った経営判断をしたという指摘です。
 2010年下期に日本航空が実施した路線・便数の規模縮小のなかには行き過ぎたダウンサイジング部分が少なからずあったことは間違いなく、行き過ぎた規模縮小を前提にして人員の余剰が生じたかのように主張するのは誤った議論です。
 
 沖縄ではスカイマーク(SKY)の那覇―宮古線への参入でJTAが重大な局面を迎えています。会社側は構造改革として事業縮小と大幅な人件費削減を計画しており事態は予断を許さない情勢です。
 SKYの運賃設定は、本土―那覇線の収益を主体にした経営戦略です。沖縄の離島路線の利用者の約25%は本土からです。SKYは離島路線からの乗り継ぎ旅客で貢献利益、本土路線では共通固定費まで賄える営業利益を得られるのです。
 JTAの収入の約半分は宮古・石垣線ですから、JTA全体の共通固定費を賄うには、少なくとも宮古・石垣線では営業利益レベルの運賃設定が必要です。SKYは石垣にも就航を計画しています。JTAはSKYに対抗した貢献利益レベルの運賃設定はできません。
 航空連は、SKYの運賃設定は航空法が定める不当廉売であり変更命令を出すよう国土交通省に申し入れましたが、当局の答弁は「固定費を除いた変動費で判断するので問題ない」。変動費とは貢献利益レベルでの判断であり、貢献利益とは事業拡大と縮小の場合の判断基準とはなりますが、事業全体での判断では共通固定費を賄うだけの収入を得なければ会社は存続できません。
 貢献利益で運賃設定できるSKYと営業利益で運賃設定をせざるを得ない価格競争は公正な競争環境とは言えません。SKYは貨物運送をしないので、地場産業にも大きな影響を与えます。
 しかも、JTAが本土への乗り継ぎ旅客を含めて対抗しようとしても、羽田発着枠はJALグループ全体での判断となっており、JTAには片道分しか割り当てられていません。
 国土交通省の責任は重大です。競争至上主義の行く末が地域航空や離島航空の荒廃では、地元でのビジネスや観光にまで大きく影響し地元住民の足が奪われてしまいます。航空連は国土交通省だけでなく沖縄県庁、沖縄県議会にも要請活動を続けています。経営分析や航空政策への取り組みも発展させていく必要があると考えています。
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●安全会議だより(41)

離島の委託観測/安全運航に大きな問題/気象庁職員による観測に改めて

 航空安全推進会議は航空気象観測の委託化に反対しており、既に委託化されている観測所についても、気象庁職員による気象観測に戻すように要請を続けています。特に離島空港の多くは、便数の少なさ等から委託化されています。総務省は、予算削減のために、さらなる委託化の推進を勧告しています。
 安定した運航のためには、正確な気象観測データの提供は必要不可欠です。リモートセンシングの発達している現在においても、離島のような周辺の観測点が殆ど無く、観測頻度も少ない地点の観測データは、陸上の観測地点よりも大きな比重を持っています。周辺データからの検証が難しい観測データには特に正確性が必要です。それには、気象学的知識に基づいた観測の技術や観測測器の正確性が求められます。委託業者の多くは、気象に関しては非専門家であり、観測スキルは研修を受けてはいるものの十分とは言えません。不十分な観測によるデータに基づいて行ってみた所、着陸に適さない気象条件であった場合には、航空機は引き返すしかありません。また、気象観測に使う観測測器も、離島空港では古いものを使っていることが多く、委託観測を管理している基地官署とは異なる測器を使っている所も多くあります。測器メンテナンスも委託項目となっている観測所が多くありますが、専門家でも手間のかかる測器メンテナンスは委託業者まかせでは正確な観測は保障できません。さらに、測器のメンテナンスや観測の正確性等の重要な業務を求められている割に予算等は少なく、離島では委託観測の引き受け手がなく、委託を断られたことも実際にありました。
 委託業者の実務担当者に対しての、基本的気象知識や測器のメンテナンスの研修も毎年基地官署において実施されていますが、実務担当者が代わればまた始めからの研修となり、知見や経験の積み重ねが殆どない状態となっています。委託観測とは、ほんの少しの予算の節約のために不安全要素を増大させている典型的な事例であるといえます。
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ITF、航空と気候変動会議開催

CCU、航空連代表が参加

 11月15日〜17日にロンドンでITF(国際運輸労連‥世界147カ国・644組合、組合員約440万人)の「航空と気候変動会議」とあわせ客乗会議、グラハン会議が開催され、日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)と航空連代表が参加しました。
 「航空と気候変動会議」では、航空のCO2排出問題と影響などで意見交換が行われました。客乗会議では、客室乗務員を取り巻く状況について報告があり、CCU代表の宮井執行委員は、6月のマドリッドでの合同アライアンス会議で採択された「JAL不当解雇撤回」行動で、各国の日本大使館への要請行動が取り組まれたことに対するお礼と裁判の進捗状況を報告しました。
 オーストラリアのカンタス航空の労働者からは、カンタス経営が職場の「海外移転」の施策を推し進め、これに反対する職場の声を退け、更に職員を職場から締め出したことが報告され、16日には会議出席者によるロンドンのオーストラリア高等弁務官事務所に抗議行動が取り組まれました。

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