phoenix257号


■主な記事から■

▼グラハン会議 マイナス20℃のランプ作業

▼JAL不当解雇撤回裁判 勝利判決必ず パイロット裁判29日、客乗裁判30日に判決

▼JAL・ANA中期計画〜利益計画あっても、見えない労働者の将来展望

▼外航、連帯強化を〜組合の頑張りが成果に

▼「わかりました」が解雇了解? 仲間へのお礼も禁物

▼学習深めよう!航空連、第31回航空政策セミナーを開催。135 名が参加

▼ANK乗組「会社は協約を守ってほしい」

▼羽田沖事故から30年、事故の教訓を考える

▼正社員で働きたい!JAL契約客室乗務員の闘いは東京高裁の場へ

▼羽田成田整備交流会


負担ズシリ燃料手当廃止

情報発信し組織拡大を

 2月24、25日の2日間の日程でグラハン連主催のグラハン労組全国三役会議が北海道千歳市で開催されました。会議では冬季燃料手当を廃止されたJGS札幌の状況や、全日空で打ち出されたグループ会社再編、引き下げられた労働条件を取り戻す闘いなどをテーマに、直面する「12春闘」を攻勢的に闘うための論議が熱心に話し合われました。会議には6労組、3地連が参加しました。
 会議当日の気温はマイナス4度。JGS札幌労組の上原書記長は、「昨日は雪が降り20pほど積もった。除雪状態が悪く、ランプ(駐機場など)の凸凹は車両の金属疲労の原因にもなる。この冬はマイナス22度の日もあった。防寒服は北海道仕様になっているが外作業は大変だ」と話します。


 JALグループの各労組からは職場状況などが報告されました。

 「昨年10月に冬季燃料手当が廃止された。これによって月2万円の負担増になった。廃止撤回≠ヘ全体の声になっている」「春闘要求を作るうえでファミリーアンケートに取り組んだ。奥さんからも生活の厳しさが寄せられ、アンケート平均では約5万8000円の赤字になっている」「効率化でコンテナの搭降載作業に加え機内清掃もしなくてはならない。腰痛を訴える人が多くなってきた。ケガをして病院にいくさいに着替えていくよう指示されているが、労災隠しと受け取れる対応だ」。JGS九州の仲下書記長からは「今人事調査の面談が行われているが、出向の話がされている。出向できない人には理由を聞くなど圧力めいた対応がとられている」。

 JAS新労組の村上副委員長は成田空港の現状について、「JGS(JALグループのグラハン会社)が外航の業務から撤退し、新グラハン会社の設立や人の流動化が進んだが、早くも新グラハン会社の撤退の動きがある。グラハン業務をトータルとできないと業務を請け負うにも厳しさがあるし、業務の請負はコストとは別にアライアンスによる棲み分けもある」と報告しました。


 JGS大阪の平井委員長は、「伊丹では職討(職場討議)ならぬ食討を大阪地連と共催している。従来の考えにとらわれることなく、工夫した取り組みが求められており、それが現状を切り開く」と強調しました。


 北海道地連・河上議長は「JALグループはみな燃料手当が廃止されたが、多くの人は必要だと思っている。全体の運動にしたい。HACの丘珠空港移転に伴い収支悪化が問題になっている。HAC乗組と協力しながら問題解決に取り組みたい」と地連の現状を報告しました。

 討論を踏まえ「12春闘」を、引き下げられた労働条件を取り戻すための転換点にするため、積極的に要求を掲げ運動を進めることを確認しあいました。


 1日目の夜に開かれた交流会では、極寒な中でがんばるJGS札幌労働者へ、JGS各労組の仲間から届けられた入浴剤やインスタントコーヒー、カンパ金などの『暖ったかカンパ』が手渡されました。


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JAL不当解雇撤回裁判

勝利判決必ず

パイロット裁判29日、客乗裁判30日に判決

 提訴から1年2ヶ月、いよいよJAL不当解雇撤回裁判の判決が言い渡されます。パイロット裁判は3月29日、客乗裁判は30日です。

 この裁判は、「整理解雇の4要件」を踏みにじり、稲盛日航会長(当時)みずから「解雇の必要性はなかった」と証言した不当解雇事件であり、破綻・会社更生法を隠れ蓑に、労働組合の弱体化を狙った不当労働行為事件でもあります。
 日本航空に解雇撤回を求めて闘う原告団と国民支援共闘会議は、今年に入り精力的な取り組みを続けています。原告団(パイロット・客乗)が訴えに出かけた団体・労組は1月だけで190ヵ所を超えました。1月27日には都内6ヵ所で宣伝行動が取り組まれました。

 1月31日には知識人・文化人が呼びかけた「日本航空による不当解雇者を励ます会」が、公正な判決を求める要請を東京地裁におこないました。要請書は、人員削減が必要に場合でも、「整理解雇の4要件」を順守する法的責任が使用者にはあり、4要件をすり抜ける手段として更生手続きを利用することは許されないとしています。

 呼び掛け人は、江尻美穂子津田塾名誉教授、奥平康弘東大名誉教授、品川正治国際開発センター会長、宮里邦雄日本労働弁護団団長、萬井隆令龍谷大学名誉教授です。178名が賛同人に名を連ねました。

 東京地裁に対する『日本航空整理解雇事件の公正な判決を求める』個人署名は2月までに10万人を超え、2月末までに9回の裁判所要請が取り組まれ提出されました。

 「3月29日、30日には勝利判決を勝ち取り、職場復帰し安全運航に寄与したい」(山口宏弥・パイロット裁判原告団長)


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許されない 労働者置き去り

JAL・ANA中期計画

会社は確実な利益計画

12春闘

 近年、大企業の内部留保が激増し、大企業一人勝ちの状態となっています。原因のひとつは大企業優遇策。「日本の法人税は先進国の中で非常に高い。そのため国際競争力が削がれている」「法人税を上げれば景気が悪くなる」。財界が常に主張していることです。しかし大企業には租税特別措置法などの様々な優遇策があり、実質的な負担額は、財界が主張するほど大きくないのが実態です。企業が負担する社会保障費は、先進国のなかで低いとの統計があります。

 日本航空と全日空が中期計画を発表しました。日本航空は「2012―16年度中期経営計画」、全日空は「2012―13年度2カ年経営計画」です。

 日本航空は期間中に500億円の効率化を図り、ユニットコスト11円を達成するとして、経営目標に「5年連続営業利益率10%以上」「2016年度末の自己資本比率の50%以上の達成」などを掲げています。欧米・東南アジアなど中長距離路線へ、B787型機を中心に4780億円の機材投資を予定しています。2013年度には営業収入1兆2400億円(2012年度1兆2170億円)、営業利益1400億円(同1380億円)、営業利益率11・3%(同11・3%)、経常利益1310億円(同1300億円)、当期純利益1150億円(同1130億円)、自己資本比率47・44%(同40・7%)としています。

 全日空は持ち株会社に移行。欧米やアジア路線を中心に増強し、13年度末までに国際線の旅客輸送能力11年度比22%増を目標に掲げています。B787型機を活用し就航拠点も増やすほか、国内線の旅客輸送能力も5%増やすとしています。14年3月期の業績目標は売上高1兆5600億円、営業利益1300億円、最終利益550億円を目指します。人員は、現在募集中の150人早期退職に加え、新規採用の絞り込みで約1000人減らす計画です。人件費などのコスト削減効果は14年度末までに1000億円を見込んでいます。

 両社の計画は、働く者には厳しさを強調する一方で、利益は確実に上げていく計画となっています。労働者の処遇に触れていないことも、両社の計画に共通しています。働く者の置き去りは許されません。

 労働組合の姿勢と踏ん張りが求められる春闘でもあります。


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外航連

組合の頑張りが成果に

春闘ミーティングを開催

 2月4日、外国航空会社で働く日本人従業員組合の春闘に関するミーティングが行われました。日本に乗り入れている外国航空会社では、22社の組合が航空連に加盟しています。外航で働く日本人労働者の雇用や労働条件は、本国の政治経済状況に大きな影響を受けます。最近ではイラン航空が日本路線を廃止し日本事務所を閉鎖、日本人の全従業員を解雇しました。イラン航空労組は、組合員の雇用や退職金の確保に現在も奮闘しています。

 会議では、米国系・欧州系・アジア系の各労組の春闘の取り組みなどが報告されました。

 コンチネンタル航空と合併が予定されているユナイテッド航空労組は、両社の就業規則や賃金体系の違いなど複雑な状況を乗り越え会社と3年協定を締結し、年1万円のベアと定期昇給の実施、年間6カ月の一時金を獲得しました。60歳以降の働き方についても、定年を65歳から67歳に引き上げました。こうした組合の頑張りを、職場は好感をもって受け止めています。

 キャセイ航空労組も昨年秋からの取り組みで、2・25%の賃上げ(ベア+定昇)と年間6カ月の一時金回答を勝ち取っています。契約社員の処遇を正社員並みに向上させるとして、7項目(シフト手当・ランプ手当・特殊作業手当・深夜手当・年末年始手当・宿泊手当・祝日手当)の回答を得ています。

 KLMはユーロ安で業績が悪化し、ベア要求もなかなか困難という厳しさもありますが、反面、円高の影響で欧州―日本の直行便はどこも黒字を計上しています。この数年定昇も実施されていない組合も多く、春闘アンケートには切実な声が多くなっていると報告されています。

 多くの組合からは、仕事は忙しく、また、人員面では正社員から派遣社員への置き換えが進んでいることなどから、組合運営や活動が困難になっているとの声も率直に出されました。

 外航連幹事会は、「日本全体が不況で年収もダウンし続けている状況だからこそ組合の真価が問われている。みんなで励ましあって頑張ろう」との意思統一を図りました。


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「わかりました」が解雇了解?

 仲間へのお礼も禁物

はっきりした意思表示が大切

 雇用に関する問い合わせは内容も様々で、「職場ごと業務委託するので部署全員解雇と言われた」「転籍か希望退職か迫られている」など人員削減を目的にしたものから、いじめやパワハラによる職場から追い出しを目的とした事例もあります。法律は、働く者の生活を守るため経営者の解雇権乱用を禁じていますが、現実には多くの職場で、理不尽な解雇がまかり通っている実態があります。

 解雇を受け入れたくないときは、「私は辞めません」とはっきりとした意思表示が必要です。「わかりました」と答えたら「解雇を了解した」とされかねません。仲間への「お世話になりました」との手紙が「退職を了解した」ものとされた例もあります。

 労働基準監督署や労働基準局などは「個別労使紛争の解決」のための助言・指導を行っていますが、自主解決のための制度ですから限界があります。やはり違法な解雇を進める会社と対応するためには、労働組合がきちんと出て行かなければ解決できません。

 違法な解雇についてSNWに相談した人たちは、団体交渉や裁判によって解雇の不当性を明らかにしたり、解雇を撤回させたうえで解決金を支払わせています。パワハラで辞めさせられた女性は裁判で勝利し、損害賠償の解決金を勝ち取って会社に一矢報いました。解雇を撤回させて職場復帰を勝ち取った例もあります。経営者の違法な解雇に対しては働く仲間の力強い闘いが必要なのです。

 解雇されたものの裁判を通して職場復帰を果たしたJさんは、「私には労働組合は関係ないと思っていました。しかし解雇撤回の裁判を経験して、労働組合は本当に頼りになるし裏切らないと思うようになりました」と語っています。労働組合の役割はこれからもますます大事になっています。


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JALは規模縮小で収入減、ANAは急激な規模拡大で有利子負債が増大

直面する課題 学習深め交渉に役立てよう

LCCを利用した安全技術規制の緩和も

航空内外から135人が参加

第31回航空政策セミナー

 2月18日、31回目を迎えた航空連「航空政策セミナー」が都内で開催され、直面する課題について学習を深めました。航空労働者、学者、国会議員など135人が参加しました。

 開会挨拶は坂井副議長。「日航・全日空の計画は、利益を上げるため人件費コスト削減中心の計画になっている。大いに学んで交渉に役立ててもらいたい」。

 基調講演は中川副議長。テーマは@民間航空輸送が果たす役割〜東京一極集中から地方振興へALCCの正体B日航・全日空グループの経営分析。

 人口減少のなか、東京一極集中から地方振興へバランスのとれた社会づくりに、航空輸送が果たす役割の大きさを強調しました。LCCについては、米国では大手とLCCのコストの違いがなくなってきたこと、LCCを設立した国内大手エアラインの思惑、LCC推進を利用した安全技術規制の緩和などについて解明しました。経営分析では、JALは1000億円以上の営業利益が破綻に伴う財産評定の見直しによってもたらされている、本来得られる収入が規模縮小によって得られなくなっている、ANAは急激な規模拡大で有利子負債が膨らんでいるなど、事業計画の問題点を指摘しました。

 職場報告では、小川日航乗組委員長が訓練生の問題を、神田CCU執行委員は編成問題での取り組みと成果を、諏訪日航ユニオン書記長は退職が相次ぐ整備士の現状について、大熊JGS東京委員長はグラハンの現場でコスト削減に伴う諸問題と労働者の変化を、それぞれ実態を踏まえ報告しました。

 丸山ユナイテッド航空労組委員長はUAとコンチネンタルの合併に伴う労働条件について、米国の本社に出向いて交渉したことなどを報告しました。佐々木航空連副議長はグランドハンドリング体制見直しの動きについて、JALグループの再編に続きANAグループでは1空港1運営会社への再編が打ち出されたこと、空港建設や再編のたびに労働条件が引き下げられた歴史を報告しました。

 坂口沖縄地連事務局長は、スカイマーク航空参入により県内の航空輸送ネットワーク維持が危機に直面していること、国交省や沖縄県・沖縄県議会への取り組み、JTA乗組の現状について報告しました。

 日本航空不当解雇撤回闘争の現状について山口原告団長から報告され、3月29日(パイロット裁判判決)、31日(客乗裁判判決)の勝利判決に向けいっそうの支援が訴えられました。


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ANK乗組

 協約を守ってほしい 主旨ねじ曲げる会社

 エアニッポン乗員組合(ANK乗組)が2月1日の山場を背景に取り組んだ内容は、「協約を守る」という当然のことを会社に求めての行動でした。

 1年前にANK労使は「新たな乗員養成体系が構築するまではこれまでと同様の規模で機長昇格を行う」との協約を結びました。「会社が提案した時点での構築はあり得ない」ということも労使双方で確認しました。その後の団体交渉においても、ANK乗組は「労使合意なしには新たな乗員養成体系の構築はあり得ない」と繰り返し主張し、会社は「組合主張の認識はしている」と発言していました。

 しかし今年に入り、会社は「会社より提案すればそれは(新たな乗員養成体系の)構築である」との発言を繰り返し、協約の主旨を一方的に捻じ曲げてきました。この状態が続けば、ANK副操縦士の機長への道筋は不明確となり、最低でも5年間は機長昇格が凍結されることになります。協約不履行が今回の争点となりました。

 4月1日のANK・ANA統合が迫るなか、ANK運航乗務員の将来展望はいまだ明確にされていません。統合期限が明示されて以降、会社から組合に様々な提案がされましたが、運航乗務員の労働条件・勤務・キャリアパス等についてはANK労使だけで決められるものでなく、解決には時間が必要と判断しています。統合に関わる諸条件の交渉をするため、昨年末にはANKの労働協約・労使慣行の継承を求め、協約の保全を確保しました。

 会社の不誠実な交渉姿勢は山場前日においても変わることはありませんでした。協約を履行しようとせず、これまでの交渉経緯も無視しようとしている会社姿勢が労使の信頼関係を大きく損ねています。ANK乗組は、統合へ向けた諸問題の解決には労使の信頼関係の再構築は必須であり、引き続き会社姿勢改善へ強く取り組んでいく必要があると考えています


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世界の航空事情

政府へ経営者へ抗議スト

闘う世界の航空労働者

 ストライキを制限しようとする政府への抗議スト、勤務改悪反対、賃金引き上を求めて闘う航空労働者の闘いを紹介します。

 報道によると、エールフランス(AF)の操縦士や客室乗務員らが2月6日から4日間のストに突入しました。ストの理由は、航空業界のスト参加者に48時間前までの申告を義務付ける法案が議会で審議されていることに対し、スト権の侵害だとしてストに突入したものです。AFはこのストライキで30〜40%が運休になったようです。

 ヨーロッパの空の玄関、ドイツ・フランクフルト空港では2月16日、賃上げを求め誘導員ら200人が7時間のストライキに突入突入しました。20日には航空管制官が賃金引上げ求め24時間ストに突入しました。

 ITFによると、スウェーデンの航空会社の客室乗務員が、業界全体に適用される勤務時間制限をめぐる労使交渉が行き詰ったため、ストを実施する構えです。

 ITFに加盟するUnionenとスウェーデンの航空業界使用者団体は、2010年3月以来、スウェーデンを拠点に国内線に従事する客室乗務員を対象とする新協約をめぐり、交渉を続けてきました。

 交渉の焦点は、現在、18社に適用されている10の協約を1つに統合することです。その構想や全国的な制限については合意に達していますが、勤務時間の制限については膠着状態に陥っています。使用者側は業界全体に適用される勤務時間制限については、交渉どころか協議することすら拒否しています。

 Unionenは2月2日、18社のうち3社(TUfly Nordic、Nova Airlines、Primera)で、2月14日午前11時から、18社全てを対象とする協約が締結されるまで、ストを実施すると宣言しました。

 Unionenのマイケル・コリンズ委員長は、「交渉をまとめるために、できることは全てやり尽くした。残された道はストしかない」と語ったそうです。

 航空労働者3700人を組織するノルウェーのITF加盟組織、Paratは、Unionen支持を表明するとともに、Parat組合員に対して、スト破りとみなされる一切の業務を行わないよう、指示しました。


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安全会議だより(43)

JAL羽田沖事故から30年

航空事故廃絶に向け決意新たに

 1982年2月9日、日本航空DC8型機が羽田空港沖合の東京湾に墜落しました。今年は事故から30年になります。

 福岡発羽田行日本航空350便は福岡空港を午前7時34分に離陸、羽田空港へ向け順調に飛行してきした。ところが羽田空港着陸目前、進入灯に差しかかった午前8時44分頃、「機長が操縦輪を押し込み、かつ、全エンジンのパワー・レバーをフォワード・アイドル位置まで引き戻し、その後に更に第2及び第3エンジンのリバース・レバーをリバース・アイドル位置まで引いた」ことにより、「機首が前のめりとなって海面へ突っ込むように下り」「進入灯を損壊し、機体の相当部分を水面に出してかく座」、同機の胴体は、前後2つに破断・分離し、前部胴体に後部胴体が乗りあげ」ました。(『航空事故調査報告書』より抜粋)。乗客24名が死亡し、乗務員を含む149名が重軽傷を負いました。

 報告書は、「機長がかかる操作を行うに至った理由は、その精神的変調によるもの」としています。機長の操作と精神的変調は、日本航空の労務政策によって、当該機長が苦しめられた結果と言われています。

 1965年の乗員組合役員4名解雇に始まった日本航空の分裂差別の労務政策は事故を引き起こす背景として、事故のたびごとに社会的に厳しい批判の的となりましたが、この事故に至ってもなお、日本航空や行政は、事故の背景に労務政策があることを認めませんでした。報告書もその点に触れることなく、航空身体検査制度の欠陥で幕引きをしました。

 羽田沖事故から30年。不当解雇、雇い止め、不当労働行為と、日本航空の体質は一向にあらためられないばかりか、より肥大化しています。「ものを言わさぬ」労務政策が労使の問題に止まらず、事故の背景となっていることは過去の歴史が証明しています。

 航空安全会議は2月上旬、多摩川河畔にある事故慰霊碑に献花し、犠牲者への追悼と事故廃絶にむけた決意を誓いました。慰霊碑が語りかけるものは、30年経った今も少なくありません。


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正社員で働きたい!

JAL契約客室乗務員の闘いは東京高裁の場へ

 晴天ながら寒風吹きすさぶ2月2日、東京高裁においてJAL契約制客室乗務員雇い止め撤回裁判の第1回口頭弁論が開かれました。裁判所前の宣伝行動には113名が参加。42の傍聴席に140人が並びました。

 裁判では原告代理人弁護士と原告本人の意見陳述が行われました。裁判官は原告の陳述を真剣な表情で聞き入っていました。

 「私が、どんなに理不尽に思っても直属マネージャーの指示に従ってきたのは、仕事を続けたいとの一心からでした。それなのに、その気持ちを利用されるなんて裏切られた気持ちです。私はお客様から直接、クレームのコメントカードなどを頂いたことは一度もありません。直属上司が関与できない試験には全て合格して乗務していたのに、直属上司の影響のもとでは2年間、適性なしと評価され続けました。そればかりでなく、周りの人からも仕事ができないという先入観で粗探しをされ、挙句の果てに雇い止めされたことで人生を狂わされました。(地裁)判決は9月14日と15日、2日間の面談だけが違法と認められましたが、入社して半年経った頃からずっと、面談で人格を否定され、雇用不安を強いられ、言い分も聞いてもらえず反省文を求められるという、大変な精神的苦痛を感じていました。私は、一人置いておかれた時間を取り戻し、大好きな客室乗務員の仕事に戻り、またお客様の笑顔が見たいと思います」

 「即決」との評がある裁判長のもと即日結審も懸念されましたが、3月6日15時に次回口頭弁論の期日が入りました。

 報告集会には122名が参加。記者会見には10社が集まりました。即日結審とならなかった背景には、短期間での団体署名の取組みや1月・2月に実施している週1回の裁判所前朝ビラ、当日の宣伝行動と抽選に並んだ人数など、裁判への関心の高さが影響しているものと思われます。

 原告と支援団体は、証人採用を求める高裁宛ての団体署名と個人署名ハガキに取り組んでいます。JALの真の再生のためにも注目される裁判です。


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整備連

安全・勤務など不安拡大

成田・羽田整備交流会を開催

 2月4日、『成田・羽田整備交流会』が開催されました。今年はJALのB738の飛行間整備体制問題や、悪化する勤務条件、安全に直結する技術規制の緩和などをテーマに討論しました。

 外航からは「統合したデルタ航空では5名くらいのクルー制で1日4〜5機程度作業する。ノースウエストの整備はA&PとAVIO専門に分かれていたが、統合で両方行うようになった。A&Pを取って社内教育を修了すればオーサライズメカになる」。全日空では、「ANAはグループ会社社員が転職しないよう、運航整備士を3機種取らないと一等航空整備士を取らせない、737の一整は取らせない。体調不良から復帰しても夜勤が出来なければいらないと言われる」などの報告がありました。参加した運航乗員からは、「乗員に注文する整備士がいなくなった」「以前は乗員・整備間の信頼関係がありよかったが、近年はコミュニケーションがとりづらくなっている。こだわりをもって直すとか、(運航を)止めるということが無くなってきている」と語りました。日航乗組からは、「JALでは、機長・副操縦士・訓練生含め70名以上が自主退職している。また、乗員側からは、飛行間点検ゼロについて、「整備の目で点検することは必要、乗員の目と専門的な整備の目とでは異なる」との指摘が出されました。


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