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航空局、グラハン業務の基準規定明確化へ

安全問題でグラハン連が要請
検討会で発言機会を

 航空連グランドハンドリング労組連絡会(グラハン連)は6月28日、グランドハンドリングの安全問題で航空局要請を行いました。白石グラハン連事務局長、佐々木航空連副議長、丸山同事務局次長が出席しました。

アンケート結果は局内で共有を

約6割が健康状態不安

 白石事務局長は、空港内制限区域事故防止検討会に航空連代表がオブザーバー参加していることに謝意を述べたうえで、「事故防止に我々にも発言する機会を作ってもらいたい」として、グラハン連が昨年12月に実施した安全アンケートの結果を伝えました。「アンケートは7空港8社で働くグラハン労働者を対象に実施し482名から回答があった。アンケートでは、4割が安全が『低下した』と回答し、低下の原因は『人員不足』『教育・経験不足』『労働強化』が上位となっている。『職場は作業量に適した人員か』では、73%が『人員不足』を訴えている」と説明しました。

 応対した担当者は、「運用課は空港管理者への指導を主な業務としている。事業者への指導は事業部安全課が実施している」としつつも、「地上業務については法制化含め、基準規定の整備含め明確化すると聞いている」と応じました。

 グラハン連は、「担当部門が違ったとしても、アンケート結果について局内で情報共有してもらいたい。今後は安全課とも話をしていきたい」と伝えました。

■ 「2011年職場の安全アンケート」結果


 ■職場の安全

 「この1年間で職場の安全がどのように変化したと思いますか」では、「向上した」23・2%に対し「低下した」41・7%、「変わらない」30・1%。「安全が低下した」と答えた方に原因(複数回答)を聞いたところ「人員不足」88・5%、「教育・経験不足」54・2%、「労働強化」50・7%が上位を占めました。「この1年間で事故・イレギュラーが発生しましたか」では「発生した」67・7%、「ない」30・4%。再発防止策については、「有効な対策がとられている」38・5%、「とられていない」20・9%、「どちらともいえない」31・9%でした。

 ■人員

 「作業量に適した人員が配置されているか」では「適正だと思う」12・4%に対し、「不足している」72・8。7割強の人が不足を訴えています。

 ■健康状態

 健康状態の問いには、「良好」35・8%に対し「不安を感じるは」58・1%。6割弱が、不安を感じている実態が明らかになりました。「不安を感じる」症状では、「腰痛」39・8%、「ストレスを感じる」31・9%、「肩・首がこる」19・7%、「目が疲れる」11・8%となっています。「何か治療を受けている」人は23・6%。4人に1人は何らかの治療を受けています。


■主な記事から■

▼JAL解雇問題、ILO勧告を踏まえ国交省、厚生労働省に解決要請…

▼泣き寝入りはしない。タイ航空パワハラ裁判…………………………

▼契約制CA雇止め裁判

▼ANAの過大な投資、持株会社の狙いは………………………………

▼さよなら原発10万人集会に17万人、航空労働者も参加……………

▼安全集会、地震・津波対策マニュアルを検証…………………………

▼日東整不当解雇撤回裁判


 日本航空の165人整理解雇問題について、ILO結社の自由委員会から出された勧告を受け、国民支援共闘会議と原告団はILO勧告に則っとり早期に労使協議の場を設定するよう、国土交通省と厚生労働省に要請を行いました。
 要請は7月23日に国土交通省、24日に厚生労働省に行われました。
要請には国民支援共闘会議から大黒作治共同代表(全労連議長)、JAL不当解雇撤回裁判原告団から山口宏弥乗員団長と内田妙子客乗団長らが参加しました。
 
要請では、
@勧告が日本政府に対して情報提供を求めていること
A勧告が日本航空の整理解雇事件と裁判に強い関心を持っていることB日本政府に対して労働組合代表の役割の重要性を指摘していること、C当事者間で十分かつ率直な協議を行うことの重要性を強調し日本政府に協議の場を確実に保証することを求めていることを伝えました。
 あわせて4月11日と6月20日の衆議院国土交通委員会での国交大臣の発言を踏まえ、事態解決に向けた協議の場の設定に向け、直ちに必要な対応をとることを求めました。

 国土交通省の担当者は「勧告は真摯に受け止める。要請に対するコメントは差し控えたい」と応じました。厚生労働省では「勧告については関連部署(国交省、内閣府、外務省など)と情報の共有をしている。勧告に対しては、しかるべき時期にILOに返事をすることになる。現時点で勧告に対する検討はしていない。具体的な検討は今後になる」。しかし一方で、一般論としながら「勧告に従う義務はない」と条約の批准国にあるまじき発言もありました。

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 職場で執拗な嫌がらせによって、精神的苦痛を受けたとして裁判に訴える事例が相次いでいます。 タイ国際航空日本支社名古屋支店では、管理職によるハラスメントによって職場環境の悪化が問題になっています。

 タイ国際航空日本支社労働組合(TG労組)の服部組合員は、入社直後から2年以上にわたる直属の上司からのパワハラによって睡眠障害を発症し、精神的にも深刻なダメージを受けました。服部組合員は1月20日、名古屋地裁に損害賠償を求めへ訴えを起こしました。

 服部さんは、「上司は業務外での接待の強要や、深夜に及ぶ飲み会での暴言や恫喝などを行った」とその実態を話します。

 TG労組は日本支社に対し、こうしたパワハラが同社就業規則に明らかに反するとして、職場環境の改善などを求め続けています。

 名古屋支店では、上司のパワハラで体調を崩すなどで複数の労働者が退職に追い込まれています。服部さんにパワハラを行った上司は、退職した元従業員からも損害賠償を求める裁判を訴えられています。

 競争・生き残り、成果主義の強まるなかでこうしたパワハラが増えてきており、パワハラには迅速な対応が必要です。パワハラ裁判の勝利に向けご支援をよろしくお願い致します。

 次回裁判は、9月20日名古屋地裁で13時から弁論が行われます。

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契約制CA雇止め裁判

 「忌避」を申し立てた青蜊ル判官の下で7月17日、JAL契約制CA雇い止め撤回裁判控訴審が再開しました。裁判所前宣伝行動には約100名が参加。42席の傍聴券の抽選には116名が並び、裁判への関心の高さを示しました。


 3回目となる法廷では、契約制客室乗務員導入当時、日航客乗組合(現CCU)委員長だった飯田幸子さんの証人尋問が行われました。

 飯田さんは、客室乗務員の契約制度が導入経緯においても、実態の運用においても、一般の契約制度と根本的に異なることを当時の経緯をふまえ証言しました。
 当時組合は、契約制度そのものが雇用の総入れ替えを目的としたものであること、3年雇い止めでは経験の伝承ができないこと、雇用形態の違う者が一緒に乗務することでチームワークに影響し安全上問題があるとして、正社員での採用を求めて取り組みました。その結果、「よほどの問題とかトラブルがない限り無条件で本採用」という国会答弁につながり、3年後正社員化に至りました。

 あわせて飯田さんは、JALでは94年の契約制導入以降正社員採用は一度も実施されておらず、現在JALでは、契約制出身者が全客室乗務員の7〜8割を占めている実態も明らかにしました。 保安やサービスなどの実業務においても正社員と契約制の違いは一切ないこと、各種マニュアル上も契約制に特化した表記はなく「客室乗務員は…」との記述しかないことなども証言しました。乗員や客乗から数多くの陳述書も出され、証人尋問の後押しとなりました。
 しかし、証人尋問後の青蜊ル判長は相変わらず強権的な態度で、原告側弁護士が改ざんの証拠や証人採用を求めると「価値があるかどうかは裁判所が判断する」とことごとく却下しました。今後は、労働法研究者(教授)の意見書及び最終準備書面の提出が行われます。

 次回法廷は10月9日11時30分〜12時、高裁812号法廷。原告本人の最終意見陳述が行われます。

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JAL・ANA決算を読み解く 下

JAL・ANA決算を読み解く 上

JAL・ANA決算を読み解く 中


 3月期決算で営業収入1兆4115億円(前年同期1兆3576億円)、営業利益970億円(同678億円)、経常利益684億円(同370億円)を計上し1株4円の配当をした全日空。2014年度までに1000億円のコスト削減を行い、2012年度の連結営業利益は1100億円、2013年度は同1300億円を計画しています。一方、航空機などへの積極的な先行投資による有利子負債は2012年度1兆840億円の見通し。航空連政策委員会は「全日空は10年くらい前から有利子負債削減をめざしていたが、急激かつ過大な投資を先行させ、今までにない利益目標を掲げ返済する計画になっている」として、中東情勢などのイベントリスクを考えると、危うさを伴う計画と分析しています。 一度は否定的な見解をもっていた持株会社へ移行していきます。なぜいま持株会社なのか。JALが持株会社に移行したおり、全日空も持株会社を検討したものの見送りました。その後JALは「経営と現場との乖離」を反省し持株会社を見直しました。

 全日空の計画では、持株会社「ANAホールディングス」の下に各運航会社が並びます。各事業会社が「より自立的な経営を行い、自らの創意工夫などを通じて目標を上回る成果を残した場合……評価される体制を目指す」としています。
しかし事業会社保有の航空機や土地・建物・予備部品・エンジン・知的財産権・有利子負債などは「ANAホールディングス」に移ります。全日空は、「経営資源の最適配分を常におこなうべく……主要資産は持株会社が保有」としています。これによって強大な支配力を持ち、次なる再編も容易になります。政策委員会は「エアアジアジャパンやピーチアビエーションを抱えたなかでは経営にとって持株会社は都合が良い。場合によっては新たな再編もありえる。働く側からすれば、企業再編下で労働条件をどう守るか学習が必要。経営側の自由勝手を許さない姿勢が必要」と強調します。


 全日空は7月18日、同月3日開催の取締役会で新株式発行並びに株式売出しに関し、発行価格及び売出価格等を決定したと発表しました。それによると総額1750億円になります。これにより自己資本比率は約30%に強化されます。
 社内では危機感をあおり、社外では不公平感を強調する全日空。働く者には勤務改悪を伴う稼動強化が強まっています。

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毎週金曜夜は首相官邸前で抗議行動

 「再稼働反対!再稼働反対!」。毎週金曜日夜、首相官邸前で脱原発デモが行われています。当初300人程度だったデモは6月29日には20万人に膨れ上がり、7月も6日・13日と連続して15万人が参加。7月16日に東京代々木公園で開催された「さよなら原発10万人集会」には、全国から17万人が参加しました。本紙編集部も7月6日のデモと16日の集会に参加しました。

 6日夜は、前週の20万人規模に恐れをなしたのか、警察は首相官邸前の地下鉄出入口を1箇所に規制し、デモ参加者を片側の歩道に押し込めようとしました。しかしデモ参加者は時間を追うごとに増加。後から後から押し寄せる人波は、とうとう歩道からあふれ出てしまいました。歩道の人波は首相官邸前から霞ヶ関方面や国会議事堂の正門方向へとぎっしり。国会議事堂前ではCCUのOGに遭遇しました。

 「さよなら原発10万人集会」には航空からもたくさんの現役・OB・OGが参加しました。会場ではJAL不等解雇撤回裁判原告団や日東整争議団が署名に取り組み、多くの署名やカンパが寄せられました。参加者からは「長い組合活動のなかでもこれだけの人が集まった集会は初めて。国民の声を聞かない野田首相や民主党はダメだ」。仕事で参加できなかった友人に写真を送ったところ、返事は「すごい集会ですね。さすがのフジテレビですら放送せざるを得なかったですよ」。

 小熊栄二慶応大教授は官邸前の抗議の声に野田首相が「大きな音だね」と言ったことに、「フランス革命のときのルイ16世の日記を思い出した。革命派がバスチューユ牢獄を襲撃した日に、日記に『何事もなし』と書いていた」「社会の根底が大きく動いているのに、その認識すらなかった」「政治家も大手新聞の政治部記者も……ムラ社会で動いていると外の世界が目に入らない」(7月19日朝日新聞)と批判しています。

 ある参加者は感じたそうです。「何かが変わりつつある」。

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 航空安全推進連絡会議主催の安全集会東京集会が7月10日、大田区産業プラザで開催されました。

 羽田・成田空港や所沢の東京航空管制部などに働く約170名が参加。ホールはほぼ満席になりました。

 玉地議長の開会挨拶の後、本部幹事会から行政との交渉が報告されました。日本航空不当解雇裁判の特別報告もされました。

 今回の実行委員会企画は、地震・津波発生時の羽田空港における対策マニュアルがどのようなものであるのか、その実効性についての仮想検証をしました。東京湾内にあり、比較的津波の被害が少ないであろうと想定されている羽田空港であっても、震源地によっては大きな津波の被害が予想され滑走路の大部分が被害を受けること、水が引くまでには相当の時間を要すること、空港外との陸路が遮断されることによって陸の孤島となることなど、数多くのリスクを抱えていることが明らかにされました。空港内のいくつかの建物は「津波避難ビル」に指定されています。
 昨年発生した東日本大震災によって甚大な被害を受けた仙台空港の実態について、当時仙台空港にて勤務していた方々の手記が朗読され、想像以上の状況に、集会参加者は改めて驚かされた様子でした。
 マスコミ等でも、近い将来さまざまな地域での地震・津波の可能性が報じられています。実行委員会企画は、できうる限り現実的でかつ有効な地震・津波対策の設定を求めています。
 各支部の安全集会も予定されています(終了済みの地区あり)。航空の安全について改めて考える良い機会として、参加を呼びかけています。

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 7月19日、日東航空整備の泉さんと佐藤さんが日航と日東整およびJALECに対して不当解雇撤回を求める第2回裁判が東京地裁で行われ、約100名が傍聴支援しました。

 裁判で意見陳述した原告の佐藤二郎さんは、日東整で30年間、日航機の安全を守る仕事をコツコツと一生懸命行ってきました。その間、労働条件向上のために組合役員を歴任してきました。日本航空はそんな佐藤さんを定年寸前に不当解雇しました。

 佐藤さんは、組合委員長時代に日航から露骨な組合活動に関する干渉を受けました。2002年以降、JAL・JAS統合となり、会社役員がスト権や腕章着用などを露骨に嫌い介入するようになったこと、日本航空から天下ってきた会社役員が中心となり、労働組合敵視の発言と行動が顕著に強まったこと、を陳述しました。

 その後、原告側の長尾弁護士より、@日航と日東整およびJALECは支配従属の関係であり日東整からJALECへの委託契約変更の実態は、日東整からJALECへの事業譲渡にあたること、Aこの事業譲渡において日東整従業員の労働契約を排除(解雇)することは、不当労働行為であり公序良俗に反する違法行為にあたる、B会社分割における労働契約承継法3条は本件にも類推適用されなければいけない、ことを陳述しました。

 第1回裁判では、パワーポイントを使って日航と日東整、JALECは支配従属の関係にあったことを裁判長にもわかりやすく陳述しました。

 一方、会社側は原告2名の雇用関係はあくまでも日東整と原告の関係であり、日航やJALECは関係がないとして訴状を全面的に否認する答弁書を提出しました。

 次回裁判は、10月1日11時より東京地裁631号法廷で行われます。

 日東整争議団では、東京地裁あて「公正な判決を求める」要請署名を実施中です。また、日東整争議団を「勝たせる会」会員(月額1000円)を募集しています。

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