phoenix265号 PDF265


■主な記事から■
▲勤務改善・企業再編・一時金など年末交渉本番
▲客室乗務員が一人でも加入できる組合 ジャパン キャビン クルー ユニオン誕生
▲組合員の雇用を守った!デルタ航空日本支社予約部門廃止200日の攻防
▲JAL、人材流出「由々しき状況」と吐露
▲新企画「JAL解雇争議勝利解決に向けて」―パイロット・客乗の原告団長の決意
▲「控訴してよかった」契約制CA雇止め裁判が結審。判決は11月29日
▲JGS大阪労組・満尾新委員長28歳、組合歴5年



 教育費や住宅ローンの返済、厚生年金保険料の引き上げ、改正高年齢者雇用安定法の成立、勤務問題や一時金など、11月1日の回答指定日を迎え、年末闘争は本格化しています。

  全日空の上半期連結営業利益は前年同期比4割増の700億円、通期見通しは1100億円(10月24日、日経)。日本航空は労使による経営協議会で通期目標1500億円を確保できると述べ、植木社長は「皆さんに…どう報いることができるか考えている」と語りました。 一時金をめぐる交渉の中心はJALグループ各労組です。「3ヶ月+5万円」の統一要求を掲げ生活改善を求めます。破綻により強権的な手法で引き下げられた労働条件を回復させ、後を絶たない退職に歯止めをかけさせるための極めて重要な交渉になります。JGS札幌で昨冬強行された冬季燃料手当(月約2万円)廃止は、賃金引下げにさらなる追い討ちをかけています。冬期手当復活の声は、労組の枠を越えて広がっており、北の大地で働くJALグループ社員の共通課題にもなりつつあります。

 全日空グループでは運航乗務員の勤務問題が重要なテーマになっています。組合からの提案も出されており、労使合意を得ることができるか、経営側の対応が焦点になっています。 経営統合によって10月1日から勤務や賃金体系が変更されたAGPU(全日空グループ乗員組合、エアニッポン乗組など)では、今後5年間をかけて調整するとしていますが、解決すべき課題もあり年末での重点課題になります。 全日空グループは来年4月から持株会社に移行します。資産を持たない純粋持株会社とは形態が異なり、資産を保有することから強大な権限を持ちます。今後の労使関係への影響を慎重に分析する必要があり、今年末から来春闘にかけた重要課題でもあります。


 外航では一時金交渉を行う労組もありますが、春闘から継続的な交渉が続いている労組もあり、粘り強い交渉が年末でも引き続き行われます。 年末闘争は来春闘を見据えた重要な交渉になることから、職場問題含め積極的交渉を進めましょう。ノースウエスト航空労組では、予約部門の廃止に伴う組合員の雇用・職場確保ではギリギリの交渉のなかで職場を確保しました。 経営側の利益目標必達との姿勢のなか、働くものの賃金引下げや勤務改悪が相次いでいます。職場の安全、モチベーションを引き上げるためにも、労働条件引き下げに歯止めをかけ、回復させる道筋を確かなものにするために一致団結してがんばりましょう。

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皆さん、こんにちは。Japan Cabin Crew Union(略称JCC)です!

 10月22日、客室乗務員が一人でも入れる労働組合が結成されました。日本で働く内航・外航の客室乗務員ならどなたでも加入できます。 「解雇されそう」「契約を打ち切られそう」「勤務がきつくて身体がもたない」「上司のパワハラで困っている」「子供を育てながら働き続けたい」「働く条件を一方的に改悪されてしまった」「お給料に納得いかないけれどどうしたらいいかわからない…etc」こんな悩みはありませんか? 今年はLCC元年と言われるように、ピーチやジェットスタージャパンなどのローコストキャリアが相次ぎ運航を開始しました。これによって国内では大小あわせ20の航空会社が運航しています。そこでは多くの客室乗務員が乗務していますが、身分は契約社員、地上業務との掛け持ちはあたり前。「毎年契約更新があるので、上司に何かを言うときは契約更新に影響しないか気を使わなくてはなりません」 言うまでもなく客室乗務員の一番の任務は、客室の安全を担い乗客の命を守る保安要員であり、その働く条件や職場環境は安全と密接に関係しています。

 私たちは、客室乗務員の切実な要求を少しでも実現していくことが、働くものの権利を守るだけでなく、航空の安全性向上にも寄与すると考えています。

 一人で、また自分たちだけで悩まず、泣き寝入りする前にまず相談してみて下さい。私たちと思いを同じくする客室乗務員の皆さん、JCCに加入して働く条件や職場環境を良くしていきませんか!!

 結成大会で萩原委員長は「近年、客室乗務員の雇用と労働条件の悪化が進み、保安要員としての位置づけが危惧されている。JCC結成がこうした流れの歯止めになれるようがんばりたい」と決意を語りました。

 【労働相談、問合せ先03―3742―5431】

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本紙264号でお知らせしたデルタ航空日本支社の予約部門廃止問題で、ノースウエスト航空労組(NW労組=デルタ、NW合併後もNW労組で活動)は、200日におよぶ交渉の結果、予約部門に所属していた組合員2名を含めた14名の雇用を確保しました。 デルタ航空日本支社は、10月31日をもって日本の予約課を廃止し、予約課所属社員には移転先のシンガポールへの配転(労働条件大幅ダウン)、希望退職、空き職場への異動(2〜3名)を提示してきました。組合は会社の責任で職場を確保するよう求め交渉を続けていましたが、9月29日に会社は、提示に応じない社員14名(組合員2名)に「整理解雇」通知書を出してきました。 組合は会社の理不尽な対応に対し、全職場へのオルグ活動、そして臨時代議員大会を開催し「職場閉鎖撤回、日本地区従業員の雇用確保」を求め争議権を確立しました。 組合員2名の雇用確保を求め一致団結で闘う決意で粘り強い交渉を続け、組合2名を含めた正社員14名全員の雇用を守る成果を上げました。

 木村NW労組委員長は「職場の存続は出来なかったものの、組合員2名を含む正社員全員の雇用を守ったことは大きな成果。この教訓を活かし組織拡大の足掛かりにしたい。しっかりした基盤を築いていく運動につなげ、今後は他職場の閉鎖を行わせないよう歯止めをかけるために交渉を続けていく」と決意を語りました。

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組合「整備は中堅のライセンスを持った人が同業他社に流出し……ているが、会社はどう考えているのか」

 整備担当専務「退職者の件は、由々しき状況にあると考えている」「我々が育てた整備士が違う(会社の)道を歩むのはなんとかしなくてはいけない」
 10月10日、JALユニオンとの経営協議会でのやりとりです。

 日本航空の人材流出(退職者)問題は、労働組合との協議の場で経営が「由々しき状況」と言わざるをえないほど深刻なものになっています。2011年1月以降、日本航空の整備士・パイロット・客室乗務員の退職者は約千名に上ります。

 10月5日、日本航空は来年4月に290名の客室乗務員採用を発表しました。当初より90名増やし、かつ一部は繰り上げて3月から訓練に入るとしています。客室乗務員の採用はすでに7月510人、10月140人となっていますから、290人を合わせると1年間で940人の採用数となります。

 客室乗務員の職場状況については本紙も、休憩時間なしの14時間勤務や、有休が取れず「結納の日取りが決まらない」、管理職から「結婚式の日取りを変えて頂けないかしら」と言われたなどの、厳しい年休取得制限の実態を報じてきました。こうした実態を踏まえCCUが労基署に相談したところ、「不許可の返事に当事者が何のアクションも示さなければ不許可に同意したことになる。同意しないで繰り返し申請し、最終的に『私は休みます』と伝えて実際に休み、それで賃金カットされれば違法になる」との見解。

 運航乗務職では、10月10日の経営協議会で「ライセンス未取得訓練生の訓練中止撤回」と「副操縦士昇格訓練の再開」の回答が示されました。日本航空は2010年6月、ライセンス未取得訓練生は「今後訓練に投入しない」ことを決めました。この決定に、乗員組合は争議権を確立し撤回を求めてきました。乗員組合は引き続き、「全ての訓練を2013年中に再開」「全ての訓練生が副操縦士に昇格」を求めていきます。これらの問題は、運航乗務職における人材流出の背景となっていました。

 人材流出問題はグランドハンドリング部門でも深刻です。JGSグループでは「資格をとったら辞めて同業他社に行った」「某社の採用試験日に20数名が年休で休んだ」。JGS経営は「社員が別会社の作業着で働いているのは避けたい」と言いますが、流出は止まっていません。労組は「JGSは職業訓練所と言われている」と指摘しています。

 「日本航空V字再生」の陰で、安全の層は劣化しています。

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「解雇の必要性はなかった」解雇を強行した日本航空。不当解雇撤回を求めるJAL不当解雇事件は、いよいよ東京高裁で裁判がはじまります。高裁での逆転勝利に向け原告団の活動を連載します。第1回はパイロット原告団長、客乗原告団長に決意を語っていただきました。

パイロット原告団 山口団長


 いよいよ12月6日に控訴審第一回目の口頭弁論が開かれます。私たちの解雇は人員削減目標も利益目標も達成し、しかも稲盛会長(当時)が経営上必要のない解雇であったことを認めたなかで行われました。現に乗員・客乗の被解雇者165名の人件費が営業費用に占める割合は僅か0・13%です。

 整理解雇後に98名の現役パイロットが日航を辞め、客乗では新たに940名もの採用です。それでも会社は私たちを戻そうとしないばかりか交渉にも一切応じません。これは経営破綻を機に組合つぶし≠ねらった不当な解雇であったからです。
 地裁判決は絵に描いたような不当判決でした。これは東京地裁が選任した管財人、管財人が作った更生計画、これを認可した東京地裁と、東京地裁ぐるみの判決という側面もあります。

 9月19日に日航は再上場を果たしました。これは現場で働く社員が、大幅に切り下げられた労働条件のなかで必死に頑張ってきた成果であり、安全を守ってきた結果に他なりません。

 先日、私は解雇後初めて御巣鷹山慰霊登山に行き、航空運送事業とはどうあるべきかを問い直しました。法廷・職場・世論を3本柱に勝つまで闘う決意です。宜しくお願いします。



客乗原告団 内田団長

 2010年10月から解雇の対象とされ自宅待機を命じられ、希望退職の応募用紙が何度も自宅に届けられました。屈辱のなかで、自分の意に反し退職届けにサインして職場を去っていった仲間たち。一方、最後まで残ることをあきらめず信念と意思を貫き通した84名の客室乗務員が大晦日に解雇されました。

 2011年1月19日東京地裁に72名が提訴、2012年3月30日請求棄却の不当判決。そして4月11日に控訴した客乗原告71名の1人は空に戻ることが叶わないまま、不当判決の3カ月後に帰らぬ人となりました。

 経営破綻からわずか2年8カ月で、華々しく再上場を果たした日本航空。労働者に責任のない整理解雇をしておきながら、2年連続で史上最高の利益をあげ、異例の速さで再上場に至っても、決して原告らを空に戻そうとはしません。年齢の高い者と病気欠勤を理由に解雇された原告のうち、この2年で7名が60歳になりました。だからこそ一日も早くこの闘いに勝利して職場復帰を果たさなければなりません。

 「原告らを戻せ」の大合唱で司法と企業を包囲する運動を作りたい。厳しいけれど客室乗務員の誇りと人間の尊厳をかけた闘いで得た財産。それは国内外で闘う仲間たちとの連帯。だから、私たちはあきらめません。

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 10月9日、JAL契約制客室乗務員雇い止め撤回裁判控訴審第4回口頭弁論が行われました。裁判はこの日で結審。判決は11月29日15時、高裁812号法廷で言い渡されます。公判前宣伝行動と報告集会には100名が参加。42の傍聴席に130名が抽選に並びました。

 原告と代理人が意見陳述をしました。原告は人権侵害の実態と精神的にいかに苦痛を被ったかを切々と訴え、代理人は契約制度の本質と航空法との関連、雇い止めの基準と退職強要はなぜ行われたのかなど、地裁判決がいかに論理矛盾に陥っているかを主張しました。両名の意見陳述は、原告側から一度は忌避をされた(最高裁で忌避請求は棄却)青蜊ル判長も神妙に聞いており、3名の裁判官の耳にも響いたようでした。報告集会で原告は、「ここまで闘ってこられたのも皆さんのおかげです。悔いはありません。控訴するかどうか悩みましたが、いまは控訴して裁判を闘ってよかったと思っています。すがすがしい気持ちです」と発言しました。

 原告と支援する仲間たちは高裁勝利判決獲得に向けて、裁判所前での宣伝行動や署名の提出を予定しています。12月には大きな集会も予定しています。契約制という、雇用が不安定で弱い立場を利用し、退職に追い込むやり方は到底許されるものではありません。

 結審翌日の10日に開催された経営協議会で植木社長は、係争事件について「自主解決はできない」と明言しました。

 JALのパワハラや人権侵害を一掃するためにも、また正社員が当たり前の世の中にするためにも、高裁での勝利判決に向け闘いは続きます。

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 今期からJGS大阪労組委員長に就任した満尾祐輔(ミツオ ユウスケ)さん。28歳。組合歴5年。航空連内で最も若い委員長です。
 2005年3月に航空専門学校の西日本アカデミーを卒業。同年4月、伊丹空港でJALのグランドハンドリングを担っていたNAS(現JALグランドサービス大阪)に入社します。

 「専門学校では2年間グランドハンドリングについて学ぶんですが、2年生の7月からは研修生としてNASで実作業を経験していました」と満尾さん。

 研修生時代から約6年間は客室部門に所属し、機内クリーニングやケータリング業務に就いていました。昨年4月から業務の効率化として始まった協業化により、今は貨物や手荷物の搭降載業務も行うようになりました。

 JGS大阪労組に加入したのは2007年春。同じ職場にいた前委員長の平井さんに誘われ加入しました。同年秋には航空連の地方組織、大阪地連の役員になり産別活動を始めます。客室乗務員やパイロット・整備士など、産別の仲間とも知り合いになりました。

 満尾さんが入社したNASは、JAL・JAS統合によるグラハン会社再編で2006年10月「JALグランドサービス大阪」となりました。社員の親睦団体だったNAS社員会も、再編と同時に労働組合(航空連合加盟)に形を変えました。当時満尾さんはノンポリでした。

 満尾さんが変わっていくきっかけになったのは組み込み残業問題でした。強制的な残業に多くの人たちが不満を持ち始めます。「何か変だ」。そんなときに声をかけたのが平井さんでした。

 満尾さんの趣味は、今年から本格的に始めたお寺や神社の朱印集め。「時間がとれるか心配だけど少しずつ増やして行く予定」とのこと。

 「日本航空は最高益を上げて再建した。働く者が元気を取り戻せるよう生活改善をしていきたい。若い人にもっと加入してもらって組織を大きくしたい」と抱負を語ります。

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