phoenix271号 PDF271


■主な記事から■
▼LCCの研究
▼ANA持株会社移行、航空局への質問と交渉
▼外航労組、これからが本番。俺達も頑張ってるぜ!TFK分会の13春闘
▼JAL解雇原告団の全国キャラバン第2弾、安倍事務所に解決要請
▼契約制CA雇止裁判、最高裁前で宣伝
▼安全会議、2013年対官庁要請内容決定
▼滑走路延長した新石垣空港が運用開始



 2012年3月ピーチアビエーション就航。7月ジェットスタージャパン、8月エアアジア・ジャパンと続き「LCC元年」と言われました。LCC(格安航空会社)の現状を考察します。

 2007年に航空版成長戦略「アジアゲートウエイ構想」が打ち出され、関西空港や中部空港の24時間運用、地方空港のチャーター便受け入れ、成田空港から都心へのアクセス改善などが盛り込まれました。こうしたなか成田空港や関西空港を拠点に、日本版LCC3社が就航しました。
 ピーチアビエーションは、関西空港を拠点に国内路線やソウル・香港・台湾など近距離国際線を運航。計画では、現在のA320型10機体制を15年には17機体制にします。

 ジェットスタージャパンは、成田空港を拠点に国内主要都市を結ぶ路線に加え、13年からは国際線の就航を計画。B737型7機体制を14年には24機体制にします。同社は、安全面で航空局から厳重注意を受ける事例がありました。整備士不足が原因とも言われています。

   エアアジア・ジャパンは成田空港を拠点に千歳・福岡・那覇を結ぶ国内路線に加え、ソウルなどの韓国路線を就航。B737型機3機体制を15年には30機体制にします。しかし、当初予定の搭乗率80%に届かず、就航開始6カ月でトップが交代する出来事がありました。就航3カ月の平均搭乗率は65%でした。
 利用者のなかで女性の割合が高いのがLCCの特徴のひとつとなっています。ピーチアビエーションの関空―韓国線は約70%が女性。LCC全体でも女性が半分を占めています。

 一方、時事通信の世論調査では、LCC利用について「『(今後も)利用するつもりはない』と考える人が46.2%に上り、60歳以上では65.7%に達した。経済的に余裕があり、旅行やサービスに『質』を求めるとされるシニア層は、LCCへの抵抗感が強いようだ」と分析しています。

 国土交通省は成長戦略に基づく「LCC参入促進による利用者メリット拡大」を強調しますが、同時に安全規制緩和も進められました。航空各社は国交省の「安全に関する技術規制のあり方検討会」で119項目の規制緩和要望を提出。ピーチからは31項目、ANAからは58項目の要望が出されました。

 LCCのメリットとして低コストが挙げられていますが、燃油費を大型機(B777)と小型機(A320)で一人あたりの比較をすると、小型機は大型機より約10%利用率が高くないと割高になります(航空連試算)。
 LCCの特徴は、徹底したコスト削減による低運賃と付帯サービスの有料化。しかし、米国では大手とLCCの人件費差が縮まり、大手航空会社も付帯サービスの有料化を始めたことで違いがなくなりつつあります。大手は供給量を減らし、利用率アップを業績向上につなげています。

 LCC就航で大手航空会社への影響が強調されますが、2000年前後に相次ぎ参入した新規航空会社への影響が大きいようです。スカイマーク(SKY)はLCCに旅客を奪われ、搭乗率を大幅に下げています。LCCが羽田路線に参入するようになれば競争は更に激化するでしょうが、参入には大手・新規航空会社の強い抵抗が予想されます。

 LCCはときに「××運賃」といった超格安運賃を販売し、マスコミも取り上げます。これは宣伝費がわりの戦略商品です。季節や時間帯、購入時期によっては必ずしも安くない実態があります。

 次号では国内LCCの運賃を考察します。

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全日空グループは4月1日、ANAホールデング(ANAHD)を持株会社とするグループ体制に移行しました。航空運送事業については、「ANA(全日本空輸)を中核として、エアージャパン、ANAウイングスの航空運送会社3社で、ANAブランドの国内線・国際線・貨物路線のネットワークを形成」としています。航空連は3月27日、持株会社と航空法との関係について航空局と交渉を行いました。

<質問項目>

 @航空法施行規則の改定の趣旨等について、A航空法第115条に基づいた安全上の審査、各種規定変更に係わる適切性の確認とは何か、B持株会社に対して航空法に基づく安全監督・指導を行なうのか〉

【航空連】2006年に安全一括法改正でSMS(セイフティ・マネージメント・システム)が導入された。国のガイドラインも出され、そのなかの「経営トップ」にはANAHDが適用されるのではないか。
 【局】法律上の安全管理指導は事業者であるANAに適用される。直接は事業者になる。

 【航空連】直接かどうかではなく、(グループ航空会社に)絶対的な支配力をもつANAHDは航空法の監督の下になるのではないか。

 【局】当面、傘下のANAは安全マネージメントの対象とすることを大臣官房から回答を受けている。今後の経営の責任の権限、管理者の権限について、大臣官房としては当面関与していくと聞いている。

 【航空連】当面は、ANAHDの安全に係わる事項については関わっていくのか。
 【局】関わるが、ANAHDについてはまだできていない。今後やっていく。大臣官房からまた調整させていただく。
 【航空連】4月以降を見ながら対応するということか。
 【局】実態を見ながら、しばらくは現場から(ANAHDの)権限の状況をみて判断する。
 【航空連】米国ではHDに行政命令等を出しているようだが。
 【局】大臣官房と調整しお答えしたい。

 航空連は問題点について、今後も継続して航空局と交渉していきます。

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 航空連13春闘は、内航を中心とした先行組の闘いが山を越え、外航や産業航空労組を中心とした闘いが精力的に取り組まれています。13春闘後半戦の状況を報告します。

 外航連各労組の13春闘は11労組が闘っています。3月29日を統一回答指定日に設定し労使交渉が進められました。すでに一次回答が示されている労組もありますが、決着には本国との調整も必要なことから、決着までには予断をゆるせません。

 こうした中、外航連大阪集会が4月5日、大阪市内で開催され、7労組21名が参加しました。開会挨拶した赤坂外航連事務局長は、安倍首相の下で進められるアベノミクスの問題点を指摘し、「各労組の要求を勝ち取るためには結束して闘い、外航労働者の労働条件引き上げ、雇用と権利を守るためにもがんばろう」と強調しました。
 集会では各労組代表から、ベースアップや定期昇給、一時金7ヶ月をめぐる交渉状況、60歳以降の高齢者雇用制度に関する要求と交渉内容が報告されました。また、職場でのパワハラやサービス残業問題などについても報告され、労使交渉のテーマになっていることも報告されました。しかし一方では、特別休暇の削減や勤務条件の改悪など、就業規則の改悪提案されている労組もあり、改悪に歯止めをかけるためいにも、連携を密にした対応が求められます。
 集会ではJAL不当解雇と闘う原告からの訴えも行われました。集会の締めくくりには参加者全員で、がんばろう三唱で13春闘の決意を確認しました。

 集会後には交流会が開催され、各労組の課題や闘いへの熱意などが語られ大いに盛り上がりました。

 外航各労組の13春闘はこれからが本番です。

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 昨年11月の近畿・東海キャラバンに続く全国キャラバン第2弾「山陰・山陽キャラバン」が3月26日から4月4日まで取り組まれ成功裏に終了しました。今回のキャラバンでは国労地方本部をはじめ教職員組合、自治体組合など多くの労働団体のみなさんから力強く心温まるご支援をいただき、JAL不当解雇撤回を訴えることができました。

 
  3月28日から始まった「山陽キャラバンの」はJR岡山駅前での宣伝行動から始まりました。倉敷・福山・尾道市での宣伝行動につづき4月1、2日は広島市、3日は徳山・下松・防府・岩国市、4日宇部・下関市での宣伝行動で「山陰・山陽キャラバン」を締めくくりました。山陽キャラバンは20ヶ所での街頭宣伝、支援要請オルグ71団体、議員要請9議員、行政要請2ヶ所、集会6ヶ所(参加者数約300名)で団体署名・個人署名、闘争支援カンパ、支援物品の販売等を行う一方で、多くの激励とご支援、ご協力を頂くことが出来ました。

 今回のキャラバンのハイライトは何と言っても4月4日の下関での安倍首相事務所への支援要請です。首相に直接会って支援の依頼をすることはできませんでしたが、原告団の榊原さんからの「安倍首相は、TPP交渉参加に際し、国益を第一に≠ニおっしゃいました。ILO結社の自由委員会が日本に繰り返し勧告を出さなければならない現状は、正に国益を害している事になりませんか?争議の進捗に関わらず、早期自主解決を推進して頂きたい」に、応対した顧問の中司正仁氏は「係争中の事であり、難しい面はあるが、要請があった事は伝えます」と約束しました。

 12月から始まった東京高裁での控訴審は、3月の2回目の口頭弁論に続き5月23日にはパイロット裁判が、5月31日には客乗裁判が行われ、3回目の口頭弁論が予定されています。4月25日、26日には両裁判の進行打ち合わせが行われ、証人採用について裁判所の考え方が一程度示されました。5月に行なわれる裁判では裁判の行方に大きな影響を与える証人採用が決まります。

 今、原告団と支援共闘会議は、申請した証人全員の採用を求める緊急の要請ハガキに取り組まれており、3週間で26000枚の要請ハガキが高裁宛に届けられています。
 日本航空が高裁宛に提出した準備書面によると、整理解雇の正当性を強調するため、更生会社としての特別事情による解雇であることを主張しています。
 JAL解雇裁判は、高裁で初めて倒産法と労働法による勤労権が判断されます。だからこそ全国ら806名の弁護士が弁護団に加わったのです。
 各組合、団体等皆様のご協力をお願いします。〈詳細はJAL原告団ホームページをご覧下さい。https://sites.google.com/site/jalgkd148/

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 人格権侵害行為に対する損害賠償と雇止め撤回を求めているJAL契約制CA雇止め撤回裁判は、現在最高裁で争われています。日本航空も、管理職面談での発言が一部パワハラと認定され、慰謝料を求められていることを不服として最高裁に上告しました。昨年11月29日の東京高裁判決は雇止め撤回は認めなかったものの、パワハラについては東京地裁判決を上回る認定をしました。2度の判決で、日本航空のパワハラは社内外に知れ渡ることになりました。

 高裁判決を受けて日本航空キャビンクルーユニオン(CCU)は、「会社は過ちを認めて、本人に真摯に謝罪するとともに職場復帰に向けた交渉に応じるべき」と要請。あわせて、「今も職場で起こっている数々のパワハラを早急に解決するとともに今後の発生を防ぐ手立てを講じなくてはならない」「パワハラを絶対に許さないという会社の毅然とした姿勢を示すことが必要」と主張しています。

 原告は訴えています。

 「最高裁への上告は、地裁・高裁で認定されたパワハラについて、会社が謝罪しなかったからにほかなりません。公の場で女性管理職が私に行ったパワハラが違法な退職強要と認められたにもかかわらず会社が謝罪することなく、高裁判決を不服として最高裁に上告したことはとても残念です。最高裁はこれまでの証拠や証人発言などをきちっと精査し、法の番人の役目を果たしてほしいと思っています」

 原告と支援する会は、最高裁への団体署名と個人署名に取り組んでいます。

 署名用紙はHP「空にもどす会」からもダウンロードできます。

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3月27日、航空安全会議臨時総会が開催され、2013年総合安全要請が承認されました。多くの代議員による活発な意見交換が行われました。

 航空の現状や職場の声を踏まえた新しい要請としては、B787型機運航停止の原因となった不具合に関するもの、空港の津波対策に関するもの、放射能事故時の被爆防止に関するものなどがあります。
 B787はリチウムイオンバッテリーの不具合により運航が停止されています。リチウムイオンバッテリーのような新技術に関する承認は航空機製造国で行われ、日本の航空局は技術的に関わることはできません。しかし、他国で製造された航空機あっても日本の航空の安全のために事前に独自の調査・検証を行い、必要があれば仕様変更を求めるよう要請しています。

 空港の津波対策に関しては、東日本大震災後に策定された対策を具体的に職場に周知するよう求めています。離陸のため滑走路に向かっている航空機を出発させるのか、ターミナルに戻して旅客を降機させるのかの判断は、遅滞なく行われる必要があります。
 放射能事故時の被爆防止も、東日本大震災時、原発周辺を飛行した航空機が放射性物質で汚染され、乗客や乗員・整備士などが被爆する恐れがあったことから、安全基準・作業基準を策定するよう求めています。

 総合安全要請には、整備・空港施設・管制・乗務員・グランドハンドリング・事故調査・気象など多くの分野が含まれています。要請書は職場の安全点検にも役立ちます。

 要請が承認されたことで、今後、対官要請が順次行われます。

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3月7日、新石垣空港が開港しました。新空港にはJTA・RAC・ANA・ソラシドエアや国際線チャーター便が就航しています。

 旧空港の滑走路1500メートル。JET機就航には様々な制限がありました。着陸してからのマックス・ブレーキは名物ともいえるほどのもので、安全性が指摘されていました。
 新空港の滑走路は2000メートル。平行誘導路やILSなどの航空施設も整備されています。これらにより就航率向上が期待されるとともに、東京・大阪への直行便や中型機の運航も可能となります。旅客サービスの向上や安全性の向上にも貢献するものとなっています。

 沖縄地連は、旧空港の短い滑走路に起因する重量制限(マンゴーやパイナップル等地域の特産品の積み残し問題)に取り組んできましたが、新空港ではこれらの問題の改善も期待できます。
 一方、新空港開港による新たな競争激化に懸念の声も上がっています。LCCのピーチ航空が6月には関西―石垣線に、9月には那覇―石垣線に参入します。スカイマークも参入を表明しています。運賃が安くなることは利用者にとって歓迎すべきことですが、そのことが減便などを招くようでは、利用者に不便をかけることになります。
 JTA経営は滑走路が長くなった分エンジン出力レベルを下げて、費用(整備費)削減を図ることを決めました。しかし出力を下げれば、長距離直行便では、旧空港同様に重量制限を行わなければなりません。地元特産品の積み残しが発生する可能性が出てきます。 沖縄の空の足を守るため、沖縄地連は今後とも労働者の立場から、地元の視点に立って、地元の発展のために活動していきます。

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