phoenix288号 PDF288


■主な記事から■

▼日東整不当解雇撤回裁判、JALの不当労働行為認めず、不当判決
▼エミレーツ航空、赤字を理由に解雇。一方で14名を新規採用。不当解雇だ!
▼外航客乗、連携し雇用不安はね返そう
▼JAL解雇原告団が近畿・東海キャラバンをスタート。あったかい声援に感激
▼消費税率引き上げの影響がじわり、生活支援の政策への転換急務
  


JGSグループの4労組(JGS札幌労組、JGS東京労組、JGS大阪労組、JGS九州労組)が新たな連合体「グランドハンドリング労働組合連合会」を結成し、9月16日に結成総会を開催しました。より力の発揮できる体制として今後の活動が注目されます。 設立総会では、グラハン労働者の展望を切り開くために、「私たちのめざす労働条件」として、@年間労働時間1800時間、A年間休日数120日、B定年まで定昇を実施させ、平均年収500万円をめざす、ことを確認しました。第1期役員として、代表に緒方元氏(JGS大阪労組)、副代表に山田隆氏(JGS九州労組)、事務局長に安藤雄二氏(JGS東京労組)、幹事に斉藤洋司氏(JGS札幌労組)を選出しました。
 設立宣言は、「JGS札幌労組、JGS東京労組、JGS大阪労組、JGS九州労組は…日本航空の経営破綻・再建問題の中で、かつて経験したことのない困難な状況も乗り越えてきた…JALグループ、JGSグループはコスト削減施策のあくなき追求、さらなる稼働率アップに突き進む経営資格の結果、安全品質は綱渡り状態になっている…働く者の権利を守り、労働条件向上、健康で安心して働ける職場環境の整備、空の安全を守り発展させるために、より幅広い統一と団結を図る」として、多くの参加を呼びかけます。

 代表挨拶した緒方氏は、「いよいよグランドハンドリング労組連合会がスタートします。
 日本航空は莫大な利益を確保し、自己資本比率は50%を超えていますが、我々の労働環境はサービス残業の横行や年休も満足に取れていません。若い社員でも『身体の疲れが取れない』等の声が出されています。JGS札幌では、冬の極寒の中での作業を強いられますが、冬期手当問題は解決が図られていません。JGS大阪では休憩時間も満足に取得できず『嫁が朝早く起きて作ってくれた弁当を会社では食べられず、家に持って帰って食べている』との実態も報告されています。
 JALの運航を支えていることを力強く訴えていかなければなりません。組合員やその家族の皆さんのために、JALグループの各労組との共闘、連携を更に深め職場要求の実現を目指します」と力強くあいさつしました。
 結成総会後に開催された交流集会では、航空連・津恵事務局長、JGPA(日本航空グループ乗員組合)・田二見委員長、西丸副委員長、CCU(日航キャビンクルーユニオン)・新海執行委員、日航ユニオン・斉藤委員長らからお祝いのあいさつがありました。

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日本航空の再建にあたりJALグループで唯一会社ごとつぶされ、全員解雇された日東航空整備の労働者が、解雇撤回とJALグループへの職場復帰を求めた裁判で東京地裁は9月22日、原告の主張を退ける不当判決を出しました。2011年3月の全員解雇から3年6カ月、提訴から2年6カ月。東京地裁は不当解雇を容認しました。
 この裁判では今年2月10日と27日の2回にわたり、大西日航会長や椛島元日東整社長、両原告、元日東整労組書記長、元日航ユニオン委員長ら8名の証人尋問が行われました。
 証人尋問で大西会長は原告代理人の質問に、JAL・JAS統合の過程で当時JASの子会社だった日東整を「技術力が非常に高い」と認め、JASが引き継ぐ意向を持っていたことを認めました。そして日東整の扱いについて話し合われていた整備分科会と、原告側が証拠として提出した内部資料の名称と一致することを認め、証拠として提出した文書の信憑性を裏付けました。日東整を排除した理由については、日東整の株式を50%所持していた日本飛行機が「日東整を活用したい」と、株式を手放さないことが原因と主張しました。しかし、実際には活用されないまま会社解散しており、事実と矛盾した証言となっていました。

 野口元日東整労組書記長は、「日東整はJALの航空機を整備するためにつくられた子会社だ。JALからの仕事がなくなったからJAL以外から仕事を取ってこれるという一般企業とは全く違う」と証言しました。
 藤枝日航ユニオン前委員長は、子会社・系列企業の事業計画・事業内容の基本事項に対する管理・監督について、「JALが社長はじめ役員を子会社に送り込み、JALの事業計画・運航計画・機材計画で整備子会社の事業計画が決定される」と、JAL以外に整備業務の委託先を開拓することはできないとも証言しました。
 坂井日航ユニオン書記長は、JAL・JAS統合前後に日東整労組を嫌悪し、日東整をJAL整備グループの統廃合計画から排除したいきさつが書かれた社内文書について証言しました。文書には、日東整を含む整備子会社の年収ベースモデル賃金やスケジュールなど一般職では知り得ない内容が書いてあり、坂井氏は「JJ統合からJALの労務政策ばかりが優先され、日東整の将来検討も含めて不当労働行為が行われてきたことが分かった」と証言しました。証人尋問を通し、日東整つぶしによる全員解雇が、労働組合を嫌悪した不当労働行為であることが明白になっていました。
 不当判決に対し原告らは、「不当判決を受け入れることは到底できない。こんな解雇許せば、下請け労働者の地位は守れない。直ちに控訴する」「不当判決の破棄、解雇争議等をたたかう仲間の支援、労働法制の改悪阻止等のたたかいに向けて、引き続き、全力を尽くす」との決意を明らかにしました。

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エミレーツ航空(EK)は、6月27日から自宅待機を命じていたスカイネットワーク大阪支部EK分会の石田さん、井出さん、水岡さんに9月1日付けで解雇を通告してきました。分会は「会社は赤字の説明も、雇用を確保する企業努力もやっていない。解雇は組合員排除が目的であり断じて認められない」として、大阪府地方労働委員会に解雇取り消しと現職復帰を求める申し立てをしました。大阪地裁に地位保全を求める仮処分と本裁判の準備も進めています。
} EKで今年5月20日に希望退職が提案されて以降、SNW大阪支部とEK分会は団体交渉で、「希望退職ではなく支社内の他部門での雇用の継続を図るよう」繰り返し求めてきました。EK日本支社は「日本路線は赤字。日本の予約・コールセンターを廃止し上海に移転することで業務がなくなる。人員削減の必要がある」との経営事情を繰り返すのみでした。しかし日本での赤字の数値は企業秘密として明らかにせず、ワークシェアーや支社内の経費削減などの十分な解雇回避努力も行っていません。
 そればかりか、コールセンターの一部が中国に移管され業務が減少していた昨年の5月以降、14名の新規採用を行っています。さらに、自宅待機期間中である8月27日から9月11日にかけて日本支社は新規採用の募集をしていました。赤字を理由に解雇を強行しておきながら、一方では人員採用を進めていたわけです。赤字のための人員削減ではなく、パワハラや残業代の未払いなどの要求を出し交渉し、働きやすい職場環境への改善を進めていた分会を排除することが目的の解雇であることは明白です。
 EKの日本の法律を無視した横暴な振る舞いに3名の組合員は、職場復帰を求めて闘い始めています。

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 合併や路線縮小などで雇用不安が増すなか、航空会社の枠をこえて連帯を強めようと、外航の客室乗務員は毎月ミーティングを実施しています。9月22日は8社13名が集まり、情報交換と学習を行いました。
 デルタ航空(NW労組)ではマニラ・香港路線減便により希望退職を募集。引き続き8名の人員削減が必要として、長期リーブや一時的な地上職アサインなどのアイデアを出すよう組合員に求めてきました。
 3年前にUAと合併したコンチネンタルミクロネシア航空にも同じような雇用不安があり、雇用の安定を求め現在都労委に提訴しています。10月29日の傍聴を訴えました。
 英国航空の組合員は現在、成田―ロンドン線を飛んでいますが、ミックスフリートと呼ばれる新賃金体系の本国客室乗務員が羽田路線を飛ぶようになりました。そのため成田線のフライト数が減り、賃金が大幅に低下しました。
 フィンランド航空では本国からの香港・シンガポール路線をアウトソーシングしており、日本路線に拡大させない取り組みを強めています。

 エジプト航空では運休に伴い希望退職を実施。応じない客室乗務員を解雇しました。運航再開が予想されることから、1名が裁判に立ちあがっています。
 KLMでは5年有期雇用を延長させるために84名がジャパン・キャビンクルー・ユニオン(JCC)に加入し、現在、会社と交渉を行っています。

 アリタリア航空での雇い止め問題が緊急報告されました。昨年のマタニティハラスメント(妊休中の契約制を雇い止め)問題に続き、今年7月に正社員乗務員1名を解雇。9月には減便を理由に契約制3名の雇い止め予告を行ってきました。解雇理由は「フライト後、空港内で制服を着替えた際ジャケットを置き忘れ帰宅した」「一度だけ遅刻しミスフライトした」。

 雇い止めを一つひとつはね返し安定した雇用を確保するため、より一層連携し取り組みを強化していくことを確認しました。

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 JAL不当解雇撤回裁判原告団の近畿・東海キャラバンが9月17日に始まりました。支援団体などと一緒に、各地で宣伝行動が取り組まれました。
 兵庫キャラバンは9月17日(水)に姫路駅前でキャラバン出発式が行われ宣伝行動がスタートしました。地域の団体や労働組合にオルグし、国会議員への要請も行いました。夕方からは神戸勤労会館で「安全シンポジューム」が開催され原告団から安全問題に関しての報告と支援の訴えを行いました。
 9月18日(木)、大阪キャラバン。国労大阪会館で打ち合わせし、お昼すぎからの宣伝行動です。ヨドバシカメラ前からスタートした宣伝行動は、淀屋橋、心斎橋、難波駅前、天王寺駅東口の5か所を各1時間ずつの宣伝行動でした。
 9月19日(金)、午前10時に南近畿会館に集合し打ち合わせ。
 この日は朝からまる一日、各政党要請行動です。自民党、民主党、共産党、社民党、維新の党、公明党の各党の事務所を訪問しJAL不当解雇撤回に向けた支援要請を行いました。また、大阪航空局にも出かけ解雇撤回と安全運航を要請しました。

 9月22日(月)、和歌山キャラバンです。

 日高・西牟婁・有田地域などの地域の団体・労組にオルグ回り。自民党や民主党、共産党、社民党などの各政党へも支援要請に伺いました。夕方からはJR和歌山駅前で宣伝行動を行いました。

 9月24日(水)は奈良キャラバン。キャラバン隊は3グループに分かれて、各議員要請と旅行会社、労働組合へ要請を行い、県政クラブで記者レクも行いました。夕方からは、原告団を励ます交流集会が開催されました。9月25日(木)は京滋キャラバンの京都宣伝では、京セラ本社前での宣伝が取り組まれ、申し入れも行いました。9月26日(金)は京滋キャラバンの滋賀宣伝でした。膳所駅前での宣伝に始まり、石山駅前、草津駅前、長浜駅で宣伝行動を行い、解雇撤回と支援を訴えました。

 各地の宣伝では、各国労地方本部のみなさん、自治労・県教組・農業団体など地域の団体などから多くのご支援を頂き、また各地で懇親会が開かれ激励いただきました。

 参加した原告からは「今回も多くの方々にお会いしました。もっとJALの整理解雇問題を知ってもらわなければと感じました」「街頭宣伝では、たくさんの署名を頂きました。そして頑張ってねと温かい言葉に励まされました」と語りました。

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 安倍政権は今年4月に消費税率を5%から8%に引き上げましたが、引き上げの影響がじわーと出てきています。報道によると、2014年度の成長率が下振れするとの見方が増えているとのこと。
 内閣府が9月8日に発表した14年4〜6月期の国内総生産(GDP)改定値は、消費増税が響き、物価変動の影響を除いた実質で前期比1・8%減(速報値は1・7%減)でした。年率換算では7・1%減(同6・8%減)。8月13日発表の速報値から下方修正です。内閣府は「速報段階で示された経済全体の姿については、だいたい同様の状況が確認された」としています。
 年率換算の減少幅は、東日本大震災のあった11年1〜3月期(6・9%減)を超え、リーマン・ショックで景気低迷が続いていた09年1〜3月期(15・0%減)以来21四半期ぶりの大きさでした。
 経済協力開発機構(OECD)が9月15日に公表した経済見通しでは、日本の実質GDP(国内総生産)伸び率を0・9%とし、5月の前回予想(1・2%)を下方修正しました。15年の予想も0・2%引き下げ1・1%としています。OECDは、消費税増税が大きかったとしています。

 最大の要因は、働く人々の実質賃金が減り、家計消費が落ち込んでいるためです。個人消費も5・1%減と、速報値の5・0%減から下振れしました。

 消費税増税による買い控えも影響しています。総務庁の7月の家計調査では、2人以上の世帯が使ったお金は実質で前年同月より5・9%減りました。増税後の4月から4ヶ月連続です。

 安倍政権は、7月〜9月の景気状況を基に、来年10月から消費税を10%に引き上げるか判断するとしていますが、消費税10%となんてとんでもありませ。今求められるのは、大企業や富裕層を優遇する税制でなく、家計に軸足を置いた政策転換が求められます。

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