phoenix297号 PDF297

本号のアリタリア航空に関する記事内容に事実と異なる部分がありましたので、お詫びして訂正いたします。

■主な記事から■

▼15夏闘。交渉の積み重ねが成果に。引き続き職場改善目指そう
▼JAL、アリタリアで相次ぎマタハラ提訴
▼JAL株主総会で解雇争議の解決を求める株主
▼羽田乗り入れ活発化
▼日東整不当解雇撤回裁判で東京高裁が不当判決。原告、解決に向け頑張る
▼安全会議、中部国際空港会社に安全要請
▼事故後も続く昇格差別


日本航空が2010年にパイロットと客室乗務の解雇を強行しようとし際、解雇回避を求める日航乗組(JFU)と日航キャビンクルーユニオン(CCU)のスト権投票を、管財人・企業再生支援機構の幹部らが妨害した事件で東京高裁は6月18日、憲法28条に踏み込んで、会社の不当労働行為を認定する判決を下しました。都労委命令、東京地裁判決につづき日航の不当労働行為を断罪しました。

 この判決は、「整理解雇」回避に向けて労使が対等の立場から妥協点を探るというまともな労使交渉ができていなかったことを改めて明確にしました。
 この裁判は、東京都労働委員会が、日本航空が整理解雇を強行する過程で、当時の管財人代理らが「争議権を確立した場合それを撤回するまで3500億円の出資をすることは出来ない」と労働組合を恫喝し、争議権投票を妨害したことは不当労働行為と認定(2011年8月3日)した事件で、日本航空が不当労働行為認定取り消しを求めた裁判の判決が昨年8月28日、東京地裁でありました。判決は、日本航空の訴えを棄却する決定を下しました。日本航空は地裁判決を不服として東京高裁に控訴していたものです。
 東京高裁では、今年1月に証人尋問が行われ、「スト権を確立したら3500億円は出資しない」などの恫喝発言をした企業再生支援機構の飯塚ディレクター(弁護士)と加藤管財人代理(弁護士)に対する証人尋問が行われ、飯塚ディレクターは当初「支援機構の見解を説明しただけ」と語りましたが、企業再生支援機構の意思決定機関である企業再生支援委員会では、出資取り消しの可否について「決定も検討もされてない」と証言し、支援機構が決定も検討もしていないものを「支援機構の見解」として組合に提示したことが明らかになりました。また尋問のなかでは、執行部と説明されていた管財人統括は、出資可否の意思決定にかかわってはいけない人物であることも明らかになりました。加藤管財人代理は、「裁判官はスト権が確立しても認可しないと発言はしていない」と認めました。恫喝発言が組合活動を妨害するためのものだったことが、証人尋問でも明確になっていました。

 

 判決を受けJFUとCCUは連名で、「更生管財によって、あってはならない違法行為を背景に、2010年に整理解雇が行われたいたことが明らかになった。この事件と解雇事件についてILOは、12年6月15日に第1次勧告、13年10月31日に2次勧告を出した。ILO勧告が職場復帰に向けた協議を促しているにもかかわらず、日本航空は未だに協議に応じていない。損なわれた労使間の信頼関係を再構築し、職場復帰に向けた労使協議を開催し、解雇に関する争議をすみやかに解決することを強く求める」との声明を発表しました。

 塩崎厚労大臣はILO勧告に関する国会質問で「話し合いが行われることを注視している」と答弁しています。人員不足を抱える日本航空。解雇者復帰の協議を決断し、争議を解決することが求められます。

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JAL、ANAの好調な決算を背景に闘われた15夏闘。一時金はJALグル―プ2・3ヵ月、ANAは年間5・4カ月(利益目標達成時)となりました。JALグループでは昨夏を0・1ヵ月上回るものの、企業業績が反映されない一時金、改善されない労働条件に経営への不満が蓄積しています。

 全日空の2014年度決算は、昨年に続き過去最高の1兆7134億円の営業収入を上げ、営業利益は915億円。15年度見通しは売上高1兆7900億円、営業利益1150億円です。
 日本航空は2010年の破たん以降最高の1兆3447億円の営業収入を上げ、営業利益は1796億円。15年度見通しは売上高1兆3280億円、営業利益1720億円です。
 全日空は春闘で、一時金年間4・5カ月(夏冬1・5カ月+期末1カ月+特別支給0・5ヵ月+α)の回答。全日空乗組(ACA)は、夏闘では経営監視を要求し、16年度の一時金についての協議を開始しました。
 JALグループの各労組では、春闘で示された2・3カ月の上積みを求めて交渉を進めた結果、再回答をひきだすまでにはいきませんでしたが、日航ユニオンは「下期の見通しについて、それによって冬の賞与をどうしたら良いかは、これからの議論による」との会社発言を引出しました。諸要求では「地方社宅の転居条件の緩和」について「検討する」。訓練時の宿泊手当が改善されました。人事評価や機体整備の再雇用職場確保など課題も残されています。

 CCUでは、勤務や編成での前向き発言、カート転倒再発防止策、ベルトサインの運用見直しなど改善につなげる発言を引出しました。休日の固定化、産前地上勤務問題など引き続き要求の前進を目指します。

 日航乗組では、ライセンシーセンシーFE8名の訓練再開、777の訓練乗員の高稼働を緩和。賃金制度については、10月の年末闘争までに賃金改定の方向性を示すことを約束させました。不当解雇撤回では、今後は労使交渉で解決していくべきフェーズに入った事を認めさせた。安全要求では、MEL適用件数をガイドラインに近づけるための具体的な施策策定。退勤時のタクシー利用の改善回答を勝ち取りました。

 JGSグループ各労組は、JGS札幌での夏用長靴支給、雨合羽の改善(グループ共通)、車両器材の更新・改善(グループ共通)、JGS大阪では人員不足対応、JGS九州では女性社員に自家用車通勤の改善など、地域性や現場実態にあわせた改善が図られました。

 今後の航空産業は、首都圏発着の7.9万回増に加え、2020年の東京オリンピック・パラリンピックンが待ち構えています。航空経営にとって「人材確保に関するリスク」(全日空決算短信)への対応は喫緊の課題です。パイロット、客室乗務員、整備士、グランドハンドリング等、安全を支えるのは現場労働者です。安全を支える基盤は労働条件をあることをきっちり主張し、引き続き労働条件改善をめざしていきましょう。

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 妊娠中の地上勤務を拒否され、無給休職を余儀なくされた日本航空の客室乗務員の神野知子さんは6月16日、男女雇用機会均等法や労働基準法に違反するマタニティーハラスメント(マタハラ)だとして、休職命令の無効と未払い賃金など338万円の慰謝料を求め東京地裁に提訴しました。日本航空には、妊娠したとき休職するか地上勤務に転換するかを選択できる「産前地上勤務制度」がありますが、2008年に、む「生産性の向上」を理由に「会社が認める場合に限る」と規定を改悪しました。

 昨年8月に妊娠が分かった神野さんは、会社に地上勤務の希望を伝えました。しかし会社は「ポストがないので休職して下さい」として、昨年9月からの休職を命じました。
 神野さんと日航キャビンクルーユニオン(CCU)は団体交渉で再三制度改善を求める一方、労基署や東京都労働局雇用均等室にも相談しました。会社は均等室による調停出席も拒否しました。
 経営協議会で植木社長は「女性に少しでも輝いてほしい。皆さんの期待に添えるような努力をするのが会社の務めだと考えています」。しかし一向に改善の兆しは見えませんでした。
 提訴後の記者会見で神野さんは訴えました。
 「妊娠という女性にとって幸せ一杯であるはずの時期に、多くの客室乗務員が生活不安を抱える日々を送っているということを知りました。JALの客室乗務員の賃金は2011年に大幅に切り下げられ、特に若い方たちは日々の生活に精一杯で、貯蓄できるほどの収入がないのが実態です。妊娠したら出産までの費用と生活費を賄うため、退職金をあてに退職せざるを得ない人もいます」「JALは女性が多く働く企業です。そのような企業で、妊娠による不利益、マタハラが横行しているということは、日本の社会ではまだまだ女性が安心して妊娠・出産をすることができないということです」「JALの企業理念やフィロソフィには、物心両面の幸福や率先垂範などがあります。まさに今、JALは社会に対しお手本となるような企業になるべきだと思います。そして多くの女性が、妊娠・出産をしても安心して働き続けることができる社会になるよう、祈りを込めて提訴に至りました」

 アリタリア航空(AZ)は大阪便減便を理由にJCC組合員2名を、さらに基地閉鎖を理由に8名、計10名の組合員の雇い止めを強行しました。うち9名が労働審判で闘い8名は和解が成立。1名は労働審判の審議が続いています。また、更に1名(Aさん)が雇い止め撤回をめざし裁判でたたかっています。

 裁判で闘うAさんは最大3年の契約で2010年3月から乗務していました。2012年12月に産前休職に入り、その休職中に「3年の契約が切れた」と雇い止めしてきたのです。しかし同期は全員3年期間終了後、さらに2年更新されました。また彼女の在職中に新たに採用された乗務員は上限が5年とする雇用契約になりました。「なぜ自分だけ更新されないないのか、出産したら職場復帰させてほしい」と何度も会社に訴えましたが、会社は2回の「ワーニング」を理由に雇い止めを撤回しませんでした。
 会社のいうワーニングの一つは出頭が遅れブリーフィングに間に合わなかったというもの、もう一つはイタリア人を乗せたホテルのバスの到着が通常より早く着いた為イタリア人との顔合わせに間に合わなかったというものですが、どちらも飛行機に乗り遅れることなどなく、旅客搭乗には十分間に合っていました。更に妊娠を会社に告げずに乗務し、外地で気分が悪くなり乗客扱いで帰国したという事も問題にしていますが、就業規則に「妊娠の事実を直ちに会社に通告しなければならない」との規定はありませんし、主治医の判断で乗務し、たまたま体調が悪くなり、他の日本人乗務員と交代して帰国したものです。このような理由で雇い止めすること自体不当なことです。何よりも、同期は全員が契約を更新されています。当然Aさんも復帰した時点で同期と同様に、更新があるものと期待しました。これは労働契約法19条の適用にあたります。さらに同期でAさんだけ雇い止めされたことはマタニテイハラスメントであり、男女機会均等法に違反します。Aさんは6月23日、東京地裁に雇止め撤回と未払い賃金の支払いを求め提訴しました。
 Aさんとジャパンキャビンクルーユニオンは(JCC)は裁判闘争の支援を訴えています。

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 6月17日、東京都内でJAL定時株主総会が開催されました。JALに不当解雇撤回を求める争議団と支援者60人は8時30分に九段下駅に集合。準備した600枚のビラを配布し、安全の確立と解雇撤回を求め訴えました。宣伝行動が始まる会社の担当者らしき人物が10数人現れ、遠巻きに監視を始めました。

 争議団も可能な限り株主として参加し発言の機会を得ることを目標に臨み、10人が総会に出席しました。
 質疑応答では、機内サービスや時刻表への提案、ミールを事前予約制にしてほしいなどの要望が出される一方で、「TBSの番組のスポンサーになっているが、偏向番組と思うので降りた方がいい」「機長のツーショット写真問題があったが、業績のいいときこそちゃんと管理すべきだ」「B787バッテリートラブルは抜本的には解決していない。安全面の投資はどうなっているのか」「グループ会社の正社員になれると言われて契約社員になったが約束が守られていない」など、会社の倫理や危機管理、派遣問題など幅広い観点から意見が出されました。
 総会前日の16日には、客室乗務員が妊娠したとき産前地上勤務を与えないことに対するマタハラ訴訟が提起されました。「マタハラ訴訟などはJALが誠実に対応していれば避けられた問題ではないか。労使関係の安定化はどうなっているのか。123便から30年が経つ今年、会社自ら解決する意思はあるのか」と労使の安定化を求める声が出されました。「新規に客室乗務員を2300人も採用しているほど人手不足ならば、解雇した165人のパイロットと客室乗務員を職場に戻せば会社にとってもメリットがある。ILOの勧告や塩崎厚労大臣の発言もあるなか解雇問題を解決するつもりはあるのか」との質問には、会社は「整理解雇は法的には解決したと基本的に考えている。ILO勧告は政府に対してのものである。組合とは誠意をもって話し合いをしている。しかるべき指導があればそれに従うつもりである」と発言しました。

 別の株主は、「整理解雇以降、JALから170人のパイロットが流出している。削減目標に達成していなかったから解雇したとのことだが、実際の人数は何人だったのか。昨日、客室乗務員のマタハラの裁判が始まった。かつて客室乗務員として働いていたときには、妊娠したら希望者全員が地上勤務に就いていた。今なぜできないのか」とJALに詰め寄りました。JALの返答は、「被解雇者を戻すつもりはない。マタハラ訴訟は残念である。希望に添えるように今後も努力していきたい」に止まりました。
 その他にも質疑を求める株主が挙手をしているにもかかわらず、JALは「これにて質疑を終え決議をする」と打ち切り。議事進行に複数の株主から動議を求める声が出され、1900億円もの巨額の損失を出した人物が役員に選出されている問題を質しましたが、取り上げられることはありませんでした。

 株主総会後、支援者や原告ら30人が集まり報告集会を開催しました。

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日本航空の再建にあたりJALグループで唯一会社ごとつぶされ、全員解雇された日東航空整備の労働者が、解雇撤回とJALグループへの職場復帰を求めた裁判で東京高裁は6月24日、原告の主張を退ける不当判決を出しました。
この裁判では、東京地裁で大西日航会長や椛島元日東整社長(現日航社員)、両原告、元日東整労組書記長、元日航ユニオン委員長ら8名の証人尋問が行われ、東京高裁では元日東整労組委員長の証人尋問が行われました。

 証人尋問で大西会長は、JAL・JAS統合の過程で当時JASの子会社だった日東整を「技術力が非常に高い」と認め、JASが引き継ぐ意向を持っていたことを認めました。そして日東整の扱いについて話し合われていた整備分科会と、原告側が証拠として提出した内部資料の名称と一致することを認め、証拠として提出した文書の信憑性を裏付けました。日東整を排除した理由については、日東整の株式を50%所持していた日本飛行機が「日東整を活用したい」と、株式を手放さないことが原因と主張しました。しかし、実際には活用されないまま会社解散しており、事実と矛盾した証言となっていました。
 証人尋問を通し、日東整つぶしによる全員解雇が、労働組合を嫌悪した不当労働行為であることが明白になっていました。

 東京高裁はこうした事実を無視し不当判決を下しました。
 不当判決に対し原告らは、「不当判決を受け入れることは到底できない。この裁判には多数のご支援・ご協力をいただいたことに、厚くお礼申し上げます。本件争議の解決に向けて全力で闘っていく。また、解雇争議等でたたかう仲間の支援、労働法制の改悪阻止等のたたかいに向けて、引き続き、全力を尽くす」との決意を表明しました。

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  国交省は首都圏発着枠を7・9万回拡大しようとしていますが、海外エアラインの羽田空港乗り入れを活発化しています。

 報道によると、カンタス航空が羽田―シドニー線を開設します。
 デルタ航空(DL)は羽田枠を返上し、9月30日で羽田―シアトルから撤退しますが、アメリカン航空が10月から羽田―ロサンゼルス線を開設するようです。一旦は撤退したアメリカン航空ですが、再度の運航再開になります。
 デルタ航空、アメリカン航空がロサンゼルス線、ユナイテッド航空がサンフランシスコ線、ハワイアン航空がホノルル線となり、日本に乗り入れている米系航空会社4社各1路線となります。
 中国の格安航空会社(LCC)、春秋航空(上海市)が8月、上海―羽田路線を新設します。春秋航空によると、上海―羽田路線は8月5日から週4便運航。羽田に深夜到着し、翌日未明に上海に戻るスケジュールのようです。
 中国吉祥航空も羽田に乗り入れるようです。8月から深夜早朝枠で利用します。
 吉祥航空によると、同路線は8月6日から週3便運航します。羽田に未明に着き、上海に折り返します。

 中国からの訪日観光客の急増を受け、中国航空各社は今年に入って競うように日本線を開設しています。

 中国の航空会社の羽田空港への新規乗り入れは、日中両国政府が羽田の深夜早朝時間帯の早期運航開始の合意を受けての対応です。

 今後も新規乗り入れが予想されますが、地上業務受託をめぐる企業間競争が激しさを増しそうです。

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 4月13日、航空安全会議名古屋支部としては久しぶりの、中部国際空港株式会社に対する安全要請を行いました。名古屋支部所属の乗員組合がいなくなったことから、ここ数年は要請活動を行うことができませんでした。しかし今期からANAウイングス乗員組合が名古屋支部に加わり、要請を復活させることができました。

 ただ一度中断したことから、要請のノウハウを取り戻すのは大変で、要請書の書き方から交渉の進め方まで本部のアドバイスが頼りという状態。何とか要請にこぎ着けることができました。
 要請書作成には特に苦労しました。どのような内容なら安全会議としての要請の趣旨に見合うか、知恵を絞りました。要請書だけでは読み取れない現場の苦労を要請時の説明としてふんだんに織り込み、定型的で無機質な回答にも食らいつき、何とか前向きな回答を引き出しました。ベストは無理でも、ベターな回答をいかに引き出すかにを検討しました。その甲斐もあって、「尽力する」というキーワードをすべての項目で引き出すことができました。十分成功と言える要請と評価しています。
 中部国際空港は、訓練機の増加、新規就航に伴う交通量増、ターミナルやエプロンの増設工事と、航空の安全を阻害しそうな案件は山積みです。今回の経験を生かし、次回以降の要請につなげていきたいと考えています。

御巣鷹山事故後、日本航空は「現場第一主義」「公正明朗な人事」「労使関係の安定・融和」の経営方針を打ち出しました。長年、分裂差別労務政策の下で組合差別や不利益をこうむってきた日航客乗組合(現CCU)は「公正明朗な人事」「労使関係の安定・融和」に注目しました。当時、客乗組合副委員長として会社との折衝にあたっていた杉山さんはこう語ります。

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  「客乗組合員に対する昇格差別は歴然としており、その是正は重要な課題でした。私たちは新経営陣に差別の実態を資料を基に説明し、是正を求めました。新経営陣はじっと聞き入っていました。組合の取り組みもあり、その後昇格差別は大幅に是正されました」

 分裂差別労務政策は日本航空の労務政策の主要な柱のひとつ。会社の意にそわない労働組合の運営に会社が介入し、組合の体質改善≠画策します。しかしそれが失敗すると、会社の意を汲む組合の結成・育成強化を図り労働者を分断します。その手段として昇進昇格差別が横行し、ときには弾圧も辞さない。日本航空労働者の歴史は、分裂差別労務政策との闘いの歴史といえます。
 日本航空で分裂労務政策が持ち込まれたのは1965年。唯一の労働組合だった日航労組に分裂攻撃が仕掛けられ、日航労組に加入していた客室乗務員は全員脱退し「日本航空客室乗務員組合」に加入させられました。しかし悪化する労働環境を改善しようとする内部の声が強まり、客乗組合の自立化、民主化が進み、客乗組合の組織率は99%に達します。それを嫌った日本航空は1975年にふたたび分裂に乗り出し、「全労客乗支部(現JALFIO客乗支部)」を誕生させました。そこでもCCU弱体化のために、フルに利用されたのが昇進昇格における差別政策でした。
 CCUによると、管理職に昇格した組合員は過去30年間一人もいません。一般職最高位のチーフ職に昇格した人もこの10年間で一人もいません。「客室乗務員の一般職の賃金は上からCH、LC、SA、ATに格付けされています。多くのCCU組合員はSA、ATに格付けされています。これまでは僅かながらも1〜2名程度は毎年LCに昇格していましたが、今年はゼロでした」(前田CCU副委員長)

 (つづく)

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