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■主な記事から■
▼2016春闘
▼JTA賃金裁判、6人の証人尋問終え結審。裁判所から和解勧告
▼拝啓 安倍晋三首相殿。待機保育問題に提案です
▼JAL解雇争議―2月、3月の取り組みにのべ1600人参加
▼デルタ、アリタリアの雇止め裁判が和解
▼航空安全会議、2016年安全要請を決定


3月18日の航空の山場を前に、全日空で1500円、日本航空で1000円のベースアップ回答を引き出しました。額としては昨年を下回ったものの2年連続のベースアップです。JALでは整備職などの地上社員の定昇率が見直され、昨年末のパイロットの賃金制度改善の流れが職種を超え広がっています。内航労組の闘いが山場を越えたことで16春闘は外航や産業航空労組に移っていきます。先行組の成果と課題、特徴的な闘いを報告します。


 「日本経済を立て直すカギは賃上げにかかっている」が共通認識のなかで始まった16春闘。連合の集計(3月18日)ではベアと定期昇給を合わせた賃上げは711組合の加重平均で6341円。国民春闘共闘委員会では平均は5624円となっています。連合は「アベノミクスはおかしい。金が必要としている人にまわらなければうまくいかない。そのために賃上げ広げ、底上げが必要だ」(3月17日)と街頭で宣伝しました。
 日本航空と全日空では、ともに3月期決算で史上最高利益が予想されるなか始まった春闘交渉。経営側が「慎重に検討」とするなか、社会的な賃金引上げ要請や生活改善、職場改善を求める継続的な追及によって全日空では1500円、日本航空では1000円(客室乗務員の部分就労者450円)の2年連続ベア回答となりました。JTAは12年4月に約20%の賃金ダウンになる制度を強行していましたが、4月実施に向けたパイロットの賃金制度改善が示され、これにより改悪前の賃金水準96%に戻ります。全日空ではシニア乗員(60歳以降再雇用乗員)の勤務手当時給15円アップを引き出しました。

 夏季一時金では、全日空が2・0カ月〈年末2・0カ月、期末一時金2カ月(経常利益1250億円達成時。それを超える場合は特別一時金として50億円超過毎に5万円支給)〉、日本航空は昨夏を0・2ヵ月上回る2・5カ月が示され、問題となっていたマイナス評価に伴う減額は実施しないとの回答も引き出しました。

外航では昨秋にキャセイ航空労組が評価毎に定昇率0・7%〜1・35%アップに加え評価昇給2000円〜4000円回答を引き出し、ユナイテッド航空労組は昨春に3年協定(2年目8800円、3年目9000円)し、ルフトハンザ航空労組は2年協約(ペイスケール全体の5%アップ)を結んでいます。

 諸要求では、全日空乗組がパイロットの安定採用・安定養成を当面40名から60名に、14年〜16年までの航空大学校からの採用は160名以上を目途との回答を得ました。勤務ではシドニー線のシングル編成1泊4日を2泊5日に改善。B737の乗員不足を認めさせ、「改善に努める」との発言を引き出しました。

 JALグループでは、日航乗組が17年度パイロット60名採用の回答を引き出しました。日航ユニオンでは整備確認主任者手当の引き上げ〈1機種目1万円(現行5千円)、2機種目5千円など〉、運航管理者手当1万円(現行5千円)、シフト手当1万円アップ(深夜労働月間20時間超)など13項目で回答を引き出しました。

 CCU(日航キャビンクルーユニオン)では不妊治療や配偶者転勤に関する制度新設、介護休職制度の改善、SHOW UP前早出や休日固定問題、産前地上勤務問題などで改善につながる発言を引き出しました。

 165名の不当解雇問題は、ILOの3次勧告が求めた「労使交渉で解決する」「意義ある協議を実施する」「早期に解決する」の履行を求め追及しました。

 JGSグループのベア回答は日本航空と同じ1000円。休日に関する法改正に伴い交代勤務者に休日1日付与、介護休業制度改善、配偶者転勤休暇(新設)の回答を引き出しました。

 日航内では昨年12月にパイロットと客室乗務員の賃金制度改善が示され4月から実施されます。春闘回答と合せると、破綻で引き下げられた賃金は大きく回復したといえます。この流れを他職種にも広げていくことが次の課題といえます。

 職種を超えた重要課題である勤務問題は全日空乗組のシドニー線改善にとどまっています。稼働強化が進むなか、疲労リスク軽減に向けた勤務改善が求められます。

 職場を喚起する取り組みを緩めることなく、引き続き夏闘にむけて、職場の安全と生活改善をめざし、攻勢的な取り組みで要求の前進をめざします。

 外航では昨秋にキャセイ航空労組が評価毎に定昇率0・7%〜1・35%アップに加え評価昇給2000円〜4000円回答を引き出し、ユナイテッド航空労組は昨春に3年協定(2年目8800円、3年目9000円)し、ルフトハンザ航空労組は2年協約(ペイスケール全体の5%アップ)を結んでいます。

 諸要求では、全日空乗組がパイロットの安定採用・安定養成を当面40名から60名に、14年〜16年までの航空大学校からの採用は160名以上を目途との回答を得ました。勤務ではシドニー線のシングル編成1泊4日を2泊5日に改善。B737の乗員不足を認めさせ、「改善に努める」との発言を引き出しました。
 JALグループでは、日航乗組が17年度パイロット60名採用の回答を引き出しました。日航ユニオンでは整備確認主任者手当の引き上げ〈1機種目1万円(現行5千円)、2機種目5千円など〉、運航管理者手当1万円(現行5千円)、シフト手当1万円アップ(深夜労働月間20時間超)など13項目で回答を引き出しました。
 CCU(日航キャビンクルーユニオン)では不妊治療や配偶者転勤に関する制度新設、介護休職制度の改善、SHOW UP前早出や休日固定問題、産前地上勤務問題などで改善につながる発言を引き出しました。 165名の不当解雇問題は、ILOの3次勧告が求めた「労使交渉で解決する」「意義ある協議を実施する」「早期に解決する」の履行を求め追及しました。
 JGSグループのベア回答は日本航空と同じ1000円。休日に関する法改正に伴い交代勤務者に休日1日付与、介護休業制度改善、配偶者転勤休暇(新設)の回答を引き出しました。
 日航内では昨年12月にパイロットと客室乗務員の賃金制度改善が示され4月から実施されます。春闘回答と合せると、破綻で引き下げられた賃金は大きく回復したといえます。この流れを他職種にも広げていくことが次の課題といえます。
 職種を超えた重要課題である勤務問題は全日空乗組のシドニー線改善にとどまっています。稼働強化が進むなか、疲労リスク軽減に向けた勤務改善が求められます。
 職場を喚起する取り組みを緩めることなく、引き続き夏闘にむけて、職場の安全と生活改善をめざし、攻勢的な取り組みで要求の前進をめざします。

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 日本トランスオーシャン航空(JTA)が強行導入した人事賃金制度をめぐり、一方的不利益変更は認められないとして日本トランスオーシャン航空乗員組合(JTOPS)が賃金切り下げ無効を求めている裁判で、3月1日と15日に那覇地裁で初めての証人尋問が行われました。組合側4人、会社側2人に対する主尋問と反対尋問が行われました。

 3月1日は組合側証人3人への尋問です。最初の証人、堺元委員長は、任期中(09年8月〜10年7月)の交渉内容を中心に、賃金カットの必要性がなかったことや、JTAの10年度決算は35億円の利益があり2億円をJALに配当したと証言しました。自身も制度改悪で、3年間で538万円減収になったことを明らかにしました。次の証言は柳本前委員長。10年8月〜12年7月の交渉を中心に、賃金制度改悪がJAL管財人の指示で行われたこと、JTAの営業利益率10%に根拠がないことなど、賃金カットと構造改革の問題点を証言しました。3人目の橋本事務局次長は、パイロットの仕事内容と出来高払いになった賃金制度の問題点を証言しました。
 3月15日の裁判で最初の証人に立った盛島組合員は、賃金制度改革により客室乗務員の賃金が約15%ダウンした問題点を訴えました。会社側証人は伊礼現RAC社長(当時執行役員)と東川平専務(当時取締役)。いずれもJALが破綻したことでJTA独自で機材投資の資金調達が必要になり、そのために賃金制度の見直しなど構造改革が必要だったと証言しました。
 この裁判は、賃金制度をめぐる労使協議のなかで、JTOPSが安全運航と健全な労使関係のために協議を継続し、双方合意を得るために交渉に応じるよう求めてきましたが、JTA経営が賃金制度改悪を2012年4月から強行したため裁判で争われることになったものです。
 一方、昨秋から賃金制度の見直しについて労使協議が続けられており、今春闘での合意に向けた交渉が続けられています。JTOPSによれば「会社提案により賃金水準は制度改悪の水準の96%ぐらいに回復する」とのことです。 裁判は15日に結審し、裁判所から和解勧告がありました。次回裁判は4月8日です。

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 新聞報道によると、来年4月に予定している消費税10%への引き上げを延期する検討に入ったとのことです。消費税税率引き上げ延期で衆参同時選挙の流れができた、とも分析しています。同時選挙になれば野党の選挙協力に歯止めをかけることができるため与党に有利、それで衆参ともに改憲の発議に必要な3分の1を確保し改憲になだれこむのが狙い、とされています。

 しかし衆院選は前回の14年12月から2年もたっていません。経済や原発、沖縄基地問題、子育てなど解決すべき課題も山積しています。にもかかわらず、改憲に向けた政権の損得勘定で同時選挙をやろうとしているのは、あまりにも暴挙と言わざるをえません。
 話は変わります。このところ「保育園落ちた日本死ね」「1億総活躍社会じゃねーのかよ。昨日見事に保育園落ちたわ。どうすんだよ私活躍出来ねーじゃねーか」と怒りをぶちまけた匿名ブログが話題になっています。 待機児童問題は今に始まったことではありません。子育てしながら働いたことのある女性ならこの怒りを共有できるし共感もできます。そのへんが安倍首相や側近にはわからないようです。「1億総活躍」「女性活躍」「子育て支援」などと声高に言っていますが、多くのママさんたちは選挙対策であることを見透かしています。だからこそ、「保育園落ちたの私だ」と国会前に集まったと思います。マタハラ裁判を闘っている友人がいます。「JALマタハラ裁判」で検索していただければ、働く女性の現状を知る一助になると思います。
 ひとつ提案があります。儲かった企業の法人税を下げるのをやめても困りませんので、その財源を保育士や介護士の待遇改善に充てれば人材確保ができます。保育園や介護施設が増えれば国民は大助かりです。ご検討いただければ幸甚です。

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JAL不当解雇撤回闘争は、2010年末の整理解雇から6年に入りました。「今年こそ解決の年にしよう」と全国で取り組みを強めています。2月・3月の諸取り組みには述べ1600名を超える仲間が参加しました。


 2月19日は、解雇や不当労働行為などの労働争議を闘う争議団・争議組合が支援連帯し共同で取り組む東京総行動の一環として、国土交通省前の宣伝・要請行動に参加。JALの「『利益無くして安全なし』の経営方針について国交省は監督責任を果たせ」と要請しました。24日はILO第3次勧告の履行を求める院内集会を参議院議員会館内で開催。200名が集まりました。自民党・民主党・共産党・社民党などからは議員や秘書も参加。ILO要請に参加している牛久保弁護士が「ILO第3次勧告の内容と意義」と題して報告し、参加者からは「ILO勧告を生かし解決するために超党派で取り組んでいきたい」との発言がありました。集会後国民支援共闘会議の第6回総会が開催され、「支援共闘全体の力を集中しJALに解決を迫っていく」ことを確認しました。29日は春闘前段での最大の取り組みとしてJAL本社包囲行動が取り組まれ、これまでで最大の600名が参加。この日はJAL本社包囲行動と連帯し、大阪・兵庫の支援共闘会議が大阪航空局や大阪労働局・JAL大阪空港支店へ要請し、利用者への支援と宣伝を行いました。

 3月5日はJAL植木社長宅の最寄り駅である新浦安駅前で宣伝とアピールウオーク。65名が参加しました。不当解雇争議と合わせ子会社つぶしの日東整解雇撤回争議、客室乗務員のJALマタハラ裁判を訴えました。新浦安駅前宣伝は今回で4回目。住民から「がんばれー」と参加者を励ます声援もありました。7日〜11日は、寒の戻りに加え時々雨模様となるあいにくの天候でしたが連日100名の参加でJAL本社前座り込みが取り組まれました。参加者は5日間で延べ650名。首都圏の各団体・労組にとどまらず静岡や大阪からの参加もあり、連帯の挨拶をしました。10日はJAL本社で社長出席の経営協議会が開催されたことから、協議内容がリアルタイムで参加者に報告されました。3日には「JAL解雇撤回愛知の会」が名古屋駅前宣伝と学習会を開催し70名が参加しました。
 JALでは、破綻で賃金が大幅に引き下げられましたが、昨年末や16春闘で賃金制度見直しが図られ4月から賃金が大幅に引き上げられます。一方、疲労リスクを抱える余裕のない勤務や後を絶たない退職などの課題も山積です。原告団は、解雇争議解決に向け全国の闘う仲間と一緒に粘り強く闘く決意です。

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デルタ航空(DL)では、サービス削減による編成数削減を理由に、14年12月に契約制客室乗務員を雇止めしました。裁判で争われていましたが、2月29日にJCC組合員1名が会社と和解し、4月から正社員で職場復帰することになりました。

 DL日本支社では、香港・マニラ路線等は正社員の日本人客室乗務員が乗務し、グアム・サイパン・パラオ路線は日本人契約制客室乗務員が本国の正社員客室乗務員とともに乗務していました。そのなかで勤続年数の短い5名が雇止めされ、そのうち4名が裁判を闘っていました。今回和解が成立したのはこのなかの一人であるAさんです。和解では、再雇用の形ではあるものの正社員での復帰を勝ち取りました。それだけに、和解の意義は大きいものがあります。
 これには今年4月からの契約制客室乗務員95名の正社員化が影響しています。もともと実質的には期限の定めなき契約同然の雇用形態だったため、正社員にすべきものでありました。Aさんらが裁判で闘ったからこその成果と言えます。Aさんは和解成立後4月から訓練に入り、5月から乗務を再開します。Aさんのコメントです。
 「解雇されてからの1年3カ月は、先の全く見えないとても不安な日々でした。再雇用という形での和解は百%納得のいくものではありませんが、正社員として職場復帰できることを大変嬉しく思っています。これまで航空業界ではごく当たり前とされてきた契約制ですが、今後各社で『正社員化』『待遇の改善』が進み、雇用不安がなくなることを願っています」

 ◇ 妊娠休職中に3年で雇止めされたアリタリア航空の裁判も2月29日に和解が成立しました。2つの裁判には多くの支援が寄せられました。

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 航空安全会議は3月23日に臨時総会を開催。今年度の安全要請が承認されました。無人航空機やドローンに関する飛行規制、各空港へのR−NAV進入方式の設定、乗務員の勤務基準について、空港制限区域内の安全確保、航空機へのレーザー照射防止対策ならびに航空に関する保安体制、気象観測業務委託化の見直しなど、特徴的な要請が承認されました。

 航空安全会議は国土交通省航空局などの関係各所に、航空の安全を守るための要請活動を毎年行っています。各職場から出された意見やアンケートをもとに要請案が作成され、さらには札幌・成田・名古屋・大阪・福岡・鹿児島・那覇の7支部からの意見も反映し臨時総会での承認を受けます。承認された要請案は総合安全要請書としてまとめられ、その後個別に交渉が開催される流れになっています。本部と並行して、各支部も支部要請書を作成し、地方航空局や各地方空港長などに独自の要請活動を行います。
 航空安全会議の要請は公的な予算を獲得できなければ実現できないというものを多く含んでいます。そのため、要請したからすぐに実現するということは稀で、回答に至るまで数年を要することがほとんどです。しかし、職場からの視点で作られている私たちの要請の重要性は当局側も認識しており、これまでも多くの項目が実行されています。要請書は4月上旬に関係各所に提出され、5月以降に交渉が入る予定です。
 航空安全会議は「今期の要請項目は確定しましたが、職場でも安全に関する問題があれば、是非とも航空安全会議の方まで声を届けて頂きたい」と語っています。


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