B787型機のトラブルに関する申し入れ


2013年2月14日

国土交通大臣

太田 昭宏殿

                     客室乗務員連絡会

事務局長 萩原玲子

   B787型機のトラブルに関する申し入れ

(原因究明、客室乗務員の役割などについて)

 2013年1月16日、山口宇部発羽田行き全日空692便において、「機体前方の電気室で煙を探知」という異常事態が発生し、高松空港に緊急着陸、乗客129名が非常用脱出スライドを使用して緊急脱出するという重大インシデントが発生しました。

 幸い、当該機乗務員の適切な対応によって数名の乗客が軽傷を負っただけで事なきを得たものの、すぐに空港に緊急着陸できないルートを飛行中であれば大惨事も想定されるインシデントでした。

 その後の検証でバッテリーからの発火、発煙という、重大事故につながりかねない極めて深刻なトラブルであったことが判明しましたが、B787型機については2013年1月だけでも、日本航空や全日空で貨物室からの煙発生、燃料漏れ、ブレーキ不具合、操縦室窓のひび割れ等のインシデントが発生しています。過去においても2010年、テキサス上空で試験飛行中に空中火災が発生し緊急着陸するという事態を引き起こしています。

 B787型機は燃費効率向上のため新しい技術を多く採用していますが、上記の事例をみただけでも、バッテリーだけではなく根本的な不具合を持っているのではと危惧せざるを得ず、徹底した原因究明と再発防止策を確立するまでは運航を再開すべきではないと考えます。

 また、今般の高松空港での緊急脱出時、当該機には最後部左側と最前方右側のドアに客室乗務員は配置されておらず、報道によれば最後部左側の脱出スライドは開放されませんでした。客室乗務員連絡会は従前より、航空機のドア数に満たない客室乗務員の編成数について、安全上問題であると指摘してきました。客室乗務員が配置されないドアがあることで、緊急脱出時に脱出が遅れたり、あるいは別の事故をも誘発する等、乗客の命にかかわる重大な事態を引き起こしかねないと考えています。他にも、客室乗務員が旅客搭乗中に行うゲート業務や地上滞在中の機内清掃などの、保安任務を軽視する施策を問題視してきました。

 私たち客室乗務員連絡会は、今回のインシデントを踏まえ、客室乗務員が保安要員であるとの観点から、実態の見直しと情報開示を求めます。

つきましては下記の項目について申し入れますので、ご検討をお願い致します。



1.B787型機のトラブルに関しては、バッテリー関係のみならず、就航以来生じた種々の不具合についても徹底した原因究明を行うこと。

2.国土交通省は、連邦航空局(FAA)、国家運輸安全委員会(NTSB)で行われている調査に加え、責任を持って原因究明と再発防止策を確立させ、リスクを抱えたままの運航再開は行わないこと。

3.安全運航の確保は、国民、利用者からも求められているものであり、原因究明、調査結果、対応策等については、逐一その情報を開示すること。

4.緊急時に乗客を安全に避難させるために、ドア数に満たない客室乗務員の編成数を早急に見直し、ドア数を下回らないようにすること。

5.今後の教訓とするため、今般の高松空港での緊急脱出において当該客室乗務員が緊急事態発生からどのように対応したか、詳細を調査し明らかにすること。

6.地上滞在中に行われている客室乗務員によるゲート業務や機内清掃業務は、保安要員としての本来の任務遂行の妨げとなるものであり、即刻中止するよう、各航空会社に徹底すること。

 以 上 

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